江戸前とは何処?今と昔で違う江戸前
昔の江戸前と今の江戸前
江戸前とは
江戸前とは江戸の海で捕れた魚貝類のこと。
昔は江戸城の真ん前の海、品川や芝、築地、鉄砲洲、深川あたり。
もう少し広く考えて羽田から江戸川河口あたりまで。
現在の江戸前
現在では東京湾の入り口までを江戸前と呼んでいる。
三浦半島の剣先から房総半島の先端の洲崎を結ぶ東京湾全域。
昔の江戸前よりとても広い海域。
埋め立てと汚染
人口が増え世の中が便利になるに従い浅い海岸は埋め立てられた。
第二次世界大戦後は生活排水や工場排水で海は汚染。
水底にはヘドロが溜まり茶色い海になった。
公害のために魚は減り、奇形魚が生まれ、昔の江戸前である東京都の海岸地帯や千葉県の東京湾奥部では魚を捕って食べることが出来なくなった。
昭和後期、漁の出来なくなった漁師の漁業権を国は買い取り、更に埋め立てが進んだ。
今の江戸前
広範囲になった江戸前
魚貝類を水揚げすることが出来なくなった。
そのため江戸前の範囲が広く考えられるようになった。
羽田から江戸川河口だった江戸前はやがて東京湾全体を江戸前と呼ぶようになった。
海の浄化
現在の東京は生活排水とトイレの排水の90%を排水処理場で清浄してから川や海へ放流。
そのため30年ほど前から東京湾奥部の魚はかなり増え安全になった。
東京湾奥部の魚も水揚げされるようになった。
東京湾の魚
東京湾ではどのような魚貝類が捕れるのか。
マハゼ、キス、コノシロ、メゴチ、マゴチ、ボラ、マルタ、スズキ、サワラ、アナゴ、カレイ、ヒラメ、アジ、サバ、マイワシ、カタクチイワシ、ウナギ、マダイ、サヨリ、イサキ、タチウオ、カンパチ、ブリ、ヒラマサ、ヒラメ、カワハギ、ウマヅラハギ、ヒイラギ、クルマエビ、シャコ、ワタリガニ、タコ、イカ、コウイカ、トリガイ、アオヤギ、アサリ、赤貝、ワカメ、海苔など。
季節によって東京湾にマグロも回遊してくる。
また東京湾入り口部の100mより深い深度にはこの他にも様々な深海魚がいる。
広範囲になった今の江戸前には豊富な魚貝類が生きている。