枯れ葉のような体のカミソリウオは擬態の天才
江之浦では秋になると現れるカミソリウオ
江之浦の水温は22℃
まもなく11月末、そんな江之浦の水温は22℃。
これは7月中旬と同じ。
陸上は寒いのに海中の方が温かい。
後、1ヵ月もしたら冬至。
1994年までカミソリウオとフウライウオは別種だった
江之浦の水深6mに仲の良いペアがいる。
その魚のフォルムは異形、すこぶる変わった形。
魚とは思えない容姿。
枯れ葉が水底を漂っているように見える。
カミソリウオという名前だが剃刀には見えない。
1994年まではフウライウオと呼ばれる種類と分けられていたが現在は同一種となり、フウライウオの名前は無くなった。
カミソリウオは擬態の天才
薄っぺらい体。
色は周囲によって変わる。
台風後に黒い枯れ葉で海底が覆われている時は黒に色を変え、茶色い千切れた海藻が多い場所では茶色に変える。
水底の千切れたゴミに化ける。
そんな場所を捜せば擬態の天才を見つけられるかもしれない。
カミソリウオの顔はウマヅラ顔
目はとても小さい。
そして口は長いストロー状の先にある。
頭から口にかけては下のヘラヤガラにそっくり。
やや上向きの口の下にはヒゲのような皮弁がある。
関東のタツノオトシゴであるハナタツにも少し似ている。
仲の良いカミソリウオのペア
サージの流れなんかに負けない
頭上を波が通過する度にサージで左右に体を持っていかれる。
流れが変わる毎に2匹揃って頭の向きを変えながら流れをかわす。
サージぐらいの流れではペアを引き裂くことはできない。
まるでダンスでも踊っているよう。
2匹揃ってゆらゆら、ユラユラ。
平たい体は都合が良い
薄っぺらい葉っぱのような体はサージの流れをかわすのに都合が良い。
丸い体より、薄い体の方が水の抵抗を受けない。
その代わり筋肉が少ないので早く泳ぐのは苦手。
食べるのは甲殻類
小さい口で食べるのは甲殻類。
好物は小さなエビやカニの仲間。
エサを見つけると吸い込むように食べる。