性転換するキューセン
キューセンのオスとメス
ベラの仲間
関東と関西では色々違う。
ベラという魚の仲間にキューセンという魚がいる。
雌は9本の線が入っているように見え、この名前がついた。
赤はメス 青(緑)はオス
キューセンのメスは赤っぽい色をしており、雄は緑っぽい色をしている。
関西ではメスを赤ベラ、オスを青ベラと呼ぶ。

オスメス両方ともややカラフルな色、関東では食用としては好まれていない。
色が綺麗すぎ、食べるという気がおこらない。

関西では好まれる高額な魚
関西では美味しい魚として好まれている。
煮つけ、塩焼き、刺身、湯引き、南蛮漬け、寿司ネタにもなり、白身で味はやや甘く、とくに瀬戸内海産のものが人気。
関東でこのキューセンはキス釣りの外道として釣れる。
堤防などからも良く釣れる。
キューセンの生まれた子供たちは全てメスとして育つ。
子供にオスの色はいない。

ゴカイの仲間、カニ、エビ、貝、などなんでも動くものを食べる雑食性。
メスのキューセンは体調10cmほどで成熟。
オスだけテリトリーを持つ
体の大きなオスが近くにいればメスは性転換することは無い。
キューセンのオスはテリトリー(縄張り)を持ち、他のオスがテリトリーに入る事を嫌う。
年中テリトリー内で餌を捜しながら巡回、侵入者がいれば追い払う。
オスにとって侵入者とは同じキューセンのオスのこと。
他のオスが自分のテリトリー内に入ることを許さない。
けれどメスはテリトリーは持たない。

オスのテリトリー内をメスは自由に行き来する。
キューセンの世界では男同士はケンカをするが女性同士は争いをしない。
男にとって他の男は女性を奪う敵。
でも女性に対しては優しく紳士的。
キューセンの産卵行動
オスが死ぬとメスが性転換
もしオスが死ぬとオスが守っていたテリトリーが空く、地主がいなくなる。
するとその周辺のメスの中で一番大きな個体が性転換を始める。
オスに性転換するには少し時間が必要で徐々に赤から緑へ変わっていく。
オスになるとテリトリーを持ち、縄張り争いが始まる。
キューセンの産卵は中層
キューセンの産卵は中層で行う。
オスとメスが成熟し、卵を生むときは水底から中層へ泳ぎ上がる。
寄り添って2~3m浮上し、放卵放精をする。
産卵後は再び水底へ戻る。
受精した卵はそのまま中層を漂よい、やがて孵化する。

ニューハーフもいる
じつはキューセンのオスには緑色にならないニューハーフがいる。
メスの色をして体もそんなに大きくないオスが存在する。
体は小さくメスのようだが精子をしっかり持っている。
外見はまったくメス。
このニューハーフは通常の産卵活動ができない。
メスの姿ゆえ、メスを産卵へ誘発することができない。
産卵活動に便乗
他のオスとメスの産卵活動に便乗する。
メスが産卵するときについていく。
放卵放精した瞬間、ニューハーフは分けて入って放精する。
ニューハーフのずるこみエッチ。
キューセンのニューハーフにとってメスは口説けない。
メスからオスへ性転換するのも不思議なら、ずるこみエッチをするニューハーフも奇妙。
横恋慕とでも言おうか。
人間界で同じことが起きたら大変。