イカの種類が多くて、普通のイカって何?
普通のイカとは
料理にするイカ
イカは美味い。
甘く柔らかい。
刺身によし、鮨によし、天ぷらによし、フライによし、煮ものによし、炒め物によし、パスタによし、ピザによし、干物によし、日本料理、中華料理、イタリア料理、フランス料理など様々な料理に使われる。
これほど食材として多方面に利用されている海産物は他にはない。
イカの柔らかいタンパクの身と特有の香りが人気のもと。
魚に比べ料理もしやすい。
そんな美味しいイカだが種類がいくつもあってよくわからない。
同じイカなのに違う名前で呼ばれたり、違う種類なのに同じ名前で呼ばれたり。
もちろん地方名があるのはあたりまえ。
よく食べるイカ限定で少し整理してみる。
スルメイカ
イカのもっともポピュラーな形をしたイカ。
耳(エンペラ)の形もイカらしい形、胴の太さ、足の長さも普通。
もっとも多く水揚げされ、人々に知られているイカ。
マイカとも呼ばれ、小型のスルメイカは釣り人からムギイカと呼ばれる。
ヤリイカ
スルメイカに比べ胴の先端がヤリのように細く尖る。
胴は細身で足が極端に短い。
1~3月頃浅場へ産卵にやってくる。
ケンサキイカ
ヤリイカに似るが胴の先はヤリイカほど尖らない。
先端の形は両刃の剣に似る。
胴は丸みをおびて足はヤリイカほど短くはない。
産卵期は5~10月と長い。
釣り上げた時は白く、死ぬと赤くなり、それからまた白くなる。
味は甘く、値段も高い。
アオリイカと並んで高級イカ。
色が赤くなるので関東ではアカイカ、山陰ではシロイカと呼ばれる。
小さいものはマルイカとも呼ばれる。
一般的なイカの代表はこのスルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカの3種類。
形や大きさが違うイカ
アオリイカ
胴体全体に耳(エンペラ)がついているイカ、大型になる。
大きなものは1メートルほどになるのでバショウイカとも呼ばれる。
スルメイカなどに比べ形が楕円形。
値段はケンサキイカと同じでイカの中ではもっとも高い。
アオリイカには3種類のタイプがある。
シロイカ型アオリイカは日本本土全域。
アカイカ型アオリイカは八丈島、奄美大島、沖縄方面、大型になる。
クアイカ型アオリイカは赤道近くの熱帯系の海に生息、小型。
ジンドウイカ
10cmほどの小型のイカ。
形はスルメイカを小さくしたような感じ。
煮物など熱で料理される。
ヒイカ、べイカとも呼ばれる。
ホタルイカ
小型のイカ、発光器を持ち夜光るので有名。
4月頃、富山の定置網で多く水揚げされる。
青く光る夜中の定置網漁は観光名物にもなっている。
ソデイカ
九州、沖縄方面の深海に棲む大型のイカ、20~30kgにもなる。
耳が袖のように広いのでソデイカの名前がついている。
身の厚いイカで最近冷凍ものとして料理によく使われる。
釣り上げた時に赤いのでアカイカとも呼ばれる。
また切り身が丸まった状態になるのでロールイカとも呼ばれ、他にもセーイカ、タルイカなどの地方名がある。
コウイカの仲間(カトルフイッシュ)
身体の中に甲の骨を持つ。
コウイカ(スミイカ、ハリイカ)
甲の骨の先端が針のように尖っている。
スミを多量に吐く。
大きさは手のひらサイズ。
モンゴウイカ(カミナリイカ)
コウイカより大き目。
カミナリのようなキスマークのような模様がある。
シリヤケイカ(ハリナシコウイカ)
コウイカと同じ大きさ。
細かな模様、胴の先端に穴があり、液を出す。
先端の穴周辺はオレンジ色に変色する。
コブシメ(クブシメ)
もっとも大きくなるコウイカ。
沖縄、八重山方面に生息する。
沖縄ではアオリイカと並んで高級イカ。
一部地域で食されるているイカ
アカイカ(ムラサキイカ、バカイカ)
スルメイカを大きくしたようなイカ、色はやや紫がかる。
ソデイカ釣りでかかってくる。
やや南方系のイカ。
トビイカ
スルメイカと大きさ、形が似ている。
身体を広げトビウオのように水面上を滑空する。
やや南方系のイカ。
ミミイカ
胴体の形が丸く、耳も丸い。
ミッキーマウスのような形をしていて可愛い。
大きさは1~2cmほど、砂地に潜る。
※地方によって本種アカイカの他に、ケンサキイカ、ソデイカの3種類がアカイカと呼ばれている。
また方言ではこの他、様々な呼び方がある。