ケラマの寝間に響くリュウキュウコノハズク、ホトトギス、ウグイスの声
リュウキュウコノハズク
夜中、耳を澄ませば
慶良間諸島座間味島に到着した夜、泡盛をご馳走になり、琉球の風を窓から入れながら暗闇の中、耳を澄ます。
聞こえてくるのは風にのせた木々の擦れる音。
そんな中にホー・・・ホー・・・ホー・・・とちょっと変わった鳥の声がする。
フクロウの仲間
翌日聞いた話だとリュウキュウコノハズクの鳴き声だという。
暗闇の森の中で顔を見ることは出来ない。
南の島に棲む小型のフクロウの仲間で奄美大島、沖縄、台湾、フィリピンなどに生息、大きさ20cmほど、昆虫などをエサとする。
毎晩、夜中の11時過ぎになると鳴く。
メスを誘っているのだろうか?
お休みモード
夜中の1時ごろにはもう声は聞こえない。
リュウキュウコノハズクも休息の時間。
気持ちの良い涼しい風だけが星空の下をぬけていく。
沖縄といえども夜の風はまだ寒い。
長い暗闇の静寂が続く。
ホトトギス
暗い早朝
まだ夜明けも遠いはずの時間に聞こえてくる。
東京より1時間も日ノ出の遅い沖縄、真っ暗な4時を過ぎた頃、静寂の中から声がする。
真っ暗な空へ向かって歌いはじめた。
キョッキョキョキョー
キョッキョキョキョー
キョッキョキョキョー
ホトトギスの声。
その声はずっと続く。
独り舞台
ゆっくりと夜のとばりを持ち上げ、誰かが幕を開けるまで続く。
真っ暗な静寂の朝に伝わる声。
そして休みなく続く。
明るくなるまで止まらない
朝5時を回る頃やっと薄っすら明るみ始める。
漁船の遠ざかるエンジン音が聞こえる。
なおもしばらく独り舞台が続く。
完全に明るくなるころホトトギスの声は止む。
ウグイス
リュウキュウウグイス
そして今度はウグイスの声。
うっすら明るくなるとホトトギスの声に混ざるように鳴き始める。
ここのウグイスはリュウキュウウグイスと呼ばれる種類。
鳴き声は内地と変わらない。
訛ったり、方言などない。
変わらない声
とても良い声で鳴く。
ここ座間味の集落は東、北、西と森に囲まれて青い海だけでなく山も自然に恵まれている。
コノハズク、ホトトギス、ウグイス、早朝に3種類の鳥の声が寝間で聞けるなんてなんと贅沢な島だろう。