グビジンイソギンチャクと虞美人と虞美人草
虞美人と虞美人草
将軍項羽と虞美人
戦場にも従い一緒に付添い、項羽のもとを離れずにいた。
戦場までも同行させる項羽も項羽なら、同行する死をも恐れぬ虞美人も虞美人。
それほど二人は一緒にいることを望んだ。
項羽の死後、虞美人自害
四面楚歌の状況で項羽の死後、虞美人は喉を切り自害し項羽への愛を貫いた。
この時代、自害しなければ項羽亡き後、敵漢王の戦利品になるのが常識で、虞美人はそうなるのを避けた。
項羽と虞美人の話は語り継がれ中国伝統芸能の京劇や宝塚歌劇団のミュージカルの題目にもなった。
虞美人草
中国で言う虞美人草は野に咲く赤い花で日本語ではヒナゲシのこと。
ポピーとも言われるケシの仲間。
赤い花は虞美人の自害の時の血の色と言われる。
虞美人の墓の周囲に赤い花ヒナゲシが咲くようになったゆえ虞美人草と言われる。
日本には村上幸子が歌う「虞美人草」もある。
グビジンイソギンチャク
虞美人草から名付けられたグビジンイソギンチャク
グビジンイソギンチャクはこの虞美人草から名付けられた。
だがグビジンイソギンチャクが綺麗だとは思えない。
また虞美人草と言われるヒナゲシにグビジンイソギンチャクが似ているのだろうか?
グビジンイソギンチャクの特徴
グビジンイソギンチャクは、オレンジ色や黄緑色、混色など主に3色。
大きさは10~15cmほどで円型。
他のイソギンチャクのように長い触手はない。
体の上面の口盤に粒状の触手が無数に並ぶ。
また口盤の縁にある縁触手は粒状触手よりやや長い。
岩の隙間に付着し触手の口盤を岩の表目に平たく広げる。
岩盤上のグビジンイソギンチャクはフエルトの絨毯のように見える。
イソギンチャクとは思えないフォルム。
生息する深さは潮だまりのような浅い場所から深度16mぐらいまで。
グビジンイソギンチャクに共生する生物
イソギンチャクらしくない形状のグビジンイソギンチャク。
見た目フワフワして気持ちよさそう。
グビジンイソギンチャクには共生するエビ類がいる。
時期は関東では初夏から冬の水温が比較的高いシーズンに見られる。
シャチホコのようなイソギンチャクモエビ
共生している確率が高いのはイソギンチャクモエビ。
大きくても2cmほど。
いつも尾を反るように曲げている。
シャチホコのように頭を低く、反った尾を天に向けピンピンとリズムをとるように動かす。
色は茶色に白いドットとラインの模様、目も白い。
近くで見ないとエビだと気づかない。
少し離れると保護色で判断できなくなる。
共生を代表するようなイソギンチャクエビ
イソギンチャクエビは時おりグビジンイソギンチャクに共生する。
イソギンチャクエビは主にサンゴイソギンチャクに共生する。
以前はイソギンチャクカクレエビと呼ばれていた。
尾ビレのオレンジのドット柄が特徴。
大きさは4cmほど。
腰ふりダンスのアカホシカクレエビ
そしてアカホシカクレエビもグビジンイソギンチャクに共生する。
4脚あるハサミの紫と白のボーダー柄が特徴。
大きさは4cmほど。
グビジンイソギンチャクの上を腰振りダンスしながらエサを捜す。
コペポーダ
コペポーダはカイアシ類、小さなエビやカニの仲間で大きくならない。
大きさは1~3mm、色々な種類がいる。
中層を泳ぐコペポーダは動物プランクトンと呼ばれる。
小魚のエサになるが魚に寄生するタイプもいる。