キジの神使がいる狛雉氷川神
神使とは
神の使い
神使とは神の意志を代行して現世へ伝える動物。
稲荷神社のキツネが有名。
神社の入り口によく神使の2対の像が置かれている。
狛犬も有名。
神社と神使
稲荷神社はキツネ。
春日大社・鹿島神宮はシカ。
天満宮はウシ。
住吉大社・岡崎神社・調神社はウサギ。
出雲大社はウミヘビ。
諏訪神社はシロヘビ。
諏訪大社はツル。
弁才天はヘビ。
日吉大社・浅間神社はサル。
熊野三山・厳島神社はトリ。
八幡宮はハト。
伊勢神宮・熱田神宮はニワトリ。
武蔵御嶽神社・三峰神社はオオカミ。
金刀比羅宮はカニ。
三嶋大社はウナギ。
キジを神使にしている神社は見つからない。
キジは日本の国鳥にも選定されている。
めずらしいキジの神使のいる神社
キジの氷川さまは南浦和徒歩2分
JR南浦和駅より歩いてすぐ、徒歩2分の場所に氷川神社がある。
南浦和駅西口からロータリーの先にある信号機のある交差点を目指す。
交差点を渡り左に曲がると目の前に緑の多い小高い丘が見える。
氷川神社の入り口
神社とも思えない入り口は急な坂。
入り口にある表示。
なぜか沖縄の歌「花」の歌詞が明記され「すべての人の心に花を」。
神主さんの趣味?
入り口の反対側にの表示。
さいたま市文化財の「神社本殿」と「ユリノキ」、1000本のアジサイ。
アジサイを見るならもう少し後、梅雨時がいい。
短い坂にも花が咲く
湾曲した坂を昇って行く。
傾斜はかなりきついが距離は短い。
植え込みには綺麗なチューリップの顔も見え坂を上るのも楽しい。
裏口入学
坂の上に出ると神社らしくなってきた。
古い建物。
火気厳禁。
キジの氷川さま
自己紹介をする神社も珍しい。
〇〇〇は、大谷場氷川神社。
雉子の〇〇さまは、キジの氷川さま。
知らないでお参りする人も多い。
名前も知らないとご利益も離れていく。
境内の中に旗やのぼりを立てるポール。
キジの彫刻かと期待したが違う。
南側に鳥居がある。
どうやら神社を裏口入学したらしい。
正面から昇ってやり直す
せっかくなので再度階段を降りて正面から入り直す。
気分的なもの。
30段弱の長い階段。
真ん中は神様の通る道。
端をゆっくり昇る。
赤い鳥居に大谷場氷川神社
石柱の漢字はなんと読むのか?
意味もチンプンカンプン。
左側の由緒書き看板が気になるところ。
確かに大谷場氷川神社と書いてある。
狛雉
鳥居の手前両側には狛犬ではなく、狛キジの像が置かれている。
左側に4羽の子供を守る母キジ。
首にはしめ縄がかけられている。
右側にはもキジの像。
こちらは雌雄のキジ。
メスが後ろを向いて顔がわからない。
2羽ともしめ縄がかけられている。
大谷場氷川神社の神使はキジ。
左右両側にある石灯籠にも彫刻が施されている。
燈明台は竜の模様。
基盤は唐獅子模様。
鳥居左の御由緒書
由緒書きにこう書かれている。
御社名
氷川神社(氷川さま・キジの氷川さま)
御祭神
主祭神
素戔嗚尊(スサノオノミコト)
合祀神
誉田別命(ホンダワケノミコト)市杵嶋姫命(イチキシマヒメ)菅原道真公(スガワラミチザネコウ)
伊弉冉尊(イザナミノミコト)倉稲魂命(ウカノミタマ)
大山祇神(オオヤマツミ) 國常立命(クニノトコタチノミコト)
神使
雉子(キジ)
由緒
創立年代は不詳。
大谷場の鎮守の神として古くより崇敬の篤い社。
江戸初期に社殿焼失。
現代の本殿は寛文六年(1666年)築と棟札あり。
三間社流見世棚造り、屋根は板葺き。
御神体は束帯立鳥帽子、丈一尺二寸余り、最古色をおび、箱に宝暦の年号がある。
(御神体の大きさは約36.4cm、烏帽子をかぶり平安時代の正装、色は古く、箱には宝暦の年号が書かれている。1751年~1764年)
天保元年の新編武蔵風土記に記載あり。
江戸時代、当寺は華徳院であった。
明治元年新佛分離令により、廃佛毀釈により華徳院は廃寺された。
太平洋戦争終結により、昭和21年国家神道から神社本庁所属の宗教法人神社となり、現在に及ぶ。
祭典
例大祭(夏祭)7月11日 歳旦祭 1月1日
祈年祭(春祭)3月下旬 塞神祭 5月中旬
新嘗祭(秋祭)11月下旬
境内社
神明社
大日孁貴命(オオヒルメノムチノミコト)、天照大神(アマテラスオオミカミ)の別称。
門客人社
手名槌命(テナヅチノミコト) 足名槌命(アシナヅチノミコト)
薬師社
大巳貴命(オオアナムチノミコト) 少彦名命(スクナヒコナノミコト)
女体社
奇稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)
文化財
氷川神社本殿
平成三年 四月 三十日
浦和市有形文化財に指定される。
境内のユリの木一株
平成八年 三月 一日
浦和市天然記念物に指定される。
ユリの木
ユリの木は入口階段を上るとすぐ右側にある。
幹回りは3m以上、高さ21m。
原産地は北米。
大谷場氷川神社本殿
手水舎(ちょうずしゃ)
参拝前に手を洗い、口をすすぐ水場。
この屋根右の軒下にもキジの彫り物がある。
溶岩で囲まれた水道。
コロナ禍のためか?
蛇口の取手は外され、手水は使えない。
お清めの水は省略。
拝殿
立派な拝殿。
人はなく扉は閉まる。
お賽銭は中央にある小さな穴から入れる。
賽銭箱は中にあるらしい。
軒下に木札。
主祭神の素戔嗚尊(スサノオノミコト)と合祀神の七神の名。
大谷場氷川神社本殿 一棟
ここら辺(大谷場・南浦和・南本町・神明)は大谷場村と呼ばれ、氷川神社が鎮守する土地。
北足立郡神社明細帳によると棟札(築造の記録を書いた木札)があると記録。
三間社流見世棚造で本殿は覆い屋の中に収められている。
本殿の本体部分である身舎(モヤ)は裄行2.869m、梁間1.235m、正面の柱と柱の空間が三つある「三間社」。
屋根は切妻造り、前方が長く延び、庇(ひさし)部分を覆うなだらかな曲線を描く「流造」。
見世棚造とは身舎と前方の柱の間に棚のような床を張り(店の棚のように見える)巨大な土台を井桁状に組む形式。
見ることは出来ないが水引虹梁上部の蟇股にある雄雌の雉の彫刻なども優れている。
境内社
手水舎の反対側にある境内社。
神明社
大日孁貴命(オオヒルメノムチノミコト)
門客人社
手名槌命(テナヅチノミコト) 足名槌命(アシナヅチノミコト)
薬師社
大巳貴命(オオアナムチノミコト) 少彦名命(スクナヒコナノミコト)
女体社
奇稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)
が祀られている。
本殿
拝殿の裏へ行くと本殿がある。
拝殿から廊下で本殿へと続いている。
ぐるりと本殿の周りを一周。
本殿の中の様子はよく解らない。
覆い屋に保護され、人目も付かず大事に保存されている。
機会があれば、烏帽子をかぶった平安時代正装の大きさ36.4cmの御神体を拝ませて頂きたいもの。
雉子の棲む鎮守の森
鉄道が出来る前、ここらあたりは静かな森が広がり多くのキジが棲んでいた。
境内の中にもキジが何羽も棲む自然豊かな土地。
ゆえにこのキジたちを神使として迎えた。