精子と卵で受精する海藻ギバサ
ギバサの正式名はアカモク
美味しいギバサ
ギバサ。
関東では聞きなれない言葉。
最近少し話題になりテレビでも時たま出てくるようになった。
4年前鮮魚店で試食のギバサの味噌汁を飲んでみた。
クセもなく、とろ~んとした味噌汁は意外と旨かった。
佐渡で水揚げされたギバサだと書いてあり値段も安かったが買っていく人は少なかった。
知名度が無いことが理由。
自分も買う気にはなれなかった。
ギバサはアカモクという海藻
ギバサの正式名はアカモクという海藻。
アカモクを知ったのは35年前。
そのとき食べられる海藻とは知らなかった。
ホンダワラの仲間
アカモクはホンダワラの仲間で気泡をつくり水面へからだを持ち上げる。
関東近辺では春先5~6月頃、深度2~3mの岩場で成熟する。
長さは7mほどになる。
アカモクの海藻群落は海水を浄化し、魚の隠れ家や産卵場になり、波を抑え穏やかにする。
アカモクは卵と精子を持つ
雌雄のあるアカモク
アカモクの面白いところはオスとメスがあること。
生殖器床を見れば一目で解る。
それだけではない。
精子を放出し、泳ぐ
メスの生殖器床には卵があり、オスの生殖器床には精子がある。
時期になるとオスの精子は泳ぎだしメスの卵と受精する。
植物が動物と同じように精子と卵で受精する。
アカモクは受精する海藻。
受精した卵はプランクトンとなって浮遊する。
繁殖後の成体は岩から千切れ流れ藻となり子魚やエビ、カニの船になり旅をする。
アカモクは食べられる
昔から東北日本海側で食用
アカモクは秋田県や山形県では古くから食用とされていた。
秋田県ではギバサ、山形県ではギンバソウ、新潟県ではナガモと呼ぶ。
アカモクはポリフェノールやフコイダン、フコキサンチン、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維を豊富に含む。
アカモクを食べることで期待できる効果
コレステロールや血圧を低げる効果
血糖値の上昇を抑える効果
口臭や体臭を抑える効果
花粉症の緩和、アレルギー症状を緩和する効果
整腸作用で便秘改善と肥満予防
骨粗しょう症の予防
ニキビ予防や皮膚の老化を防ぐ美肌効果
コラーゲンの分解を抑える効果
エイズウイルスの増殖を抑える効果
アカモクの料理法
新鮮な成熟したアカモクの根と硬い茎を取り除く。
手でつまんで食用とする葉、気泡、生殖器床を外す。
ゴミを取るため良く洗う。
茹でる、または湯通しをする。
すぐに茶色から緑色に変わりネバネバが出てくる。
これで食べられる状態。
細かく切れば下ごしらえの出来上がり。
保存はこのまま冷蔵庫へ。
長期保存は冷凍庫へ。
味噌汁、酢味噌、酢の物、ネバネバ丼、天ぷら、卵焼きなど工夫次第。
来年は試してみたい。