カツオノエボシのダイバーへの注意事項
カツオノエボシの名前
烏帽子のカツオノエボシ
水面に漂うカツオノエボシ。
黒潮と南風に運ばれてやってくる。
ちょうど今の時期、春から夏にかけてが多い。
浮袋の形が昔、貴族がかぶっていた烏帽子に似ている。
カツオノエボシの群体の下にカツオがいるとも言われる。
カツオノエボシの特徴、予防、刺された治療についてはコチラ⇒クリック
Portuguese Man of War
英語では portuguese man of war 。
意味はポルトガルの軍艦。
カツオノエボシの浮力体が帆を張ったポルトガルの船に似ている。
毒の強さから別名 floating terror とも呼ばれる。
浮いているテロリズム。
ダイビングとカツオノエボシ
ダイバーにとっての注意
カツオノエボシによる過去の事故でダイバーならではの変わった事故がある。
この時期に注意をするべき。
ダイバーがクラゲの毒棘を気道に刺して救急車で運ばれる。
その場所では1回だけでなく2回同じ事故が起きている。
カツオノエボシの触手を吸い込む
その事故は水面で起こった。
水面には多くのカツオノエボシいた。
ボートから海に飛び込んだダイバーは潜降するためにレギュレターをくわえて呼吸をした。
そのレギュレターにカツオノエボシの触手が絡みついていた。
ダイバーは触手を吸い込み、口内と気道を毒棘に刺され呼吸困難に。
そして病院へ運ばれた。
ダイバーは水中でカツオノエボシに刺されにくい
ダイバーはウエットスーツに身を包み、ダイビングブーツとマリングローブを覆っている。
ほぼ完璧にカツオノエボシの毒棘を防ぐプロテクターを身につけている。
水中では注意すれば泳ぎながらカツオノエボシを確認可能。
マリングローブをした手ならば刺されることなく払うことも出来る。
水面にいるカツオノエボシの触手は見えない
けれど水面にいる時は違う。
水面に浮いているものは波があるので見えにくい。
カツオノエボシの浮袋は見えても水中にある触手までは見えない。
レギュレターに触手が絡むのは状況次第。
細い触手であれば確認も難しい。
口の中に入れないためには
海へ飛び込む前、最初からレギュレターをくわえたまま。
飛び込んだ後、水面でも水中でもレギュレターを外さない。
船に上がるまでレギュレターをくわえたままならカツオノエボシに口内を刺されることはない。
カツオノエボシは水面近くに生息
カツオノエボシは浮袋を持つために水面近くに生息する。
刺胞細胞のある伸縮する長い触手も浮袋が風に煽られて動くため、引っ張られて移動する。
ゆえに水面近くを触手も移動する。
深度10mより深い場所では、ほとんどカツオノエボシの心配はしないで済む。
他の浮遊するクラゲの仲間も深度の浅い水域で多く確認する。
深度10mより深い所ではあまり見ない。
カツオノエボシを捕食する生物
カツオノエボシと共生する魚
エボシダイはの幼魚はカツオノエボシの触手の間で生活をする。
共生するエボシダイはの幼魚も時々カツオノエボシのエサになる。
なぜ共生するのに喰われてしまうのか理由はよくわかっていない。
成魚は25cmの大きさになり、カツオノエボシと共生はしない。
エボシダイの成魚は深度200~1000mの深場に生息する。
謎が多く、その生活様式は解明されていない。
カツオノエボシをエサとする生物
素早い泳ぎができないマンボウはクラゲを捕食する。
また世界最大になるオサガメの主食はクラゲ、アカウミガメやアオウミガメも雑食でクラゲを捕食する。
美しい小さな魔獣アオミノウミウシはカツオノエボシを専門に捕食する。