魚へんの漢字、「う」「え」「お」から始まる魚
魚へんの漢字
魚茶碗
茶碗に沢山の魚文字。
良く目にする文字もあれば見慣れぬものもある。
読めない文字も多数。
今回は「う」「え」「お」から始まる漢字1文字の生物をご紹介。
「あ」から始まる魚へんの漢字はコチラ。
「い」はコチラ。
「う」「え」「お」から始まる魚へんの漢字
鯏・鯎 ウグイ
鱓 ウツボ
鰻 ウナギ
鱏・鱝・鰩 エイ
鱛 エソ
鰕 エビ
鰧 オコゼ
「う」から始まる魚へんの漢字
鯏・鯎 ウグイ
ハヤとも呼ばれる。
淡水の川魚、流れのある清流や湖に棲む。
鮮度の落ちるのが早く、獲れた土地で消費し市場に出回ることはほとんどない。
塩焼き、燻製、唐揚げ、甘露煮などにして食べられる。
背中は黒、体側は銀色、4~6月の産卵期に体側腹部が3本の鮮やかなオレンジ縞になる。
河口域や潮の干満の影響のある大きな川に棲む30~50cmの大きさになるマルタウグイは近似種。
鱓 うつぼ
外見から嫌われることも多い。
一部の地域で喜んで食べられている。
刺身、唐揚げ、蒲焼、干物などで食べられる。
硬い小骨のつき方が特殊で、小骨とりの捌きにはコツがいる。
ウミヘビと呼ばれる種類のひとつ。
魚のウミヘビで毒蛇のような牙毒はない。
毒蛇のウミヘビは肺呼吸をしている。
ウツボは魚なのでエラで呼吸をする。
毒はないが口には鋭利な歯が並び噛まれると危険。
胸ビレと腹ビレは退化して存在しない。
小型の魚類、タコ、イカをエサとする。
キタマクラやクサフグのような小型のフグなら食べてしまう。
フグ毒に耐性があるのか?
ウツボの種類ドクウツボを食べるとシガテラ中毒を起こすことがある。
鰻 ウナギ
うな重が旨いのと高額なことで日本国民には有名。
ウナギという1種類だけの魚で店が成り立つのはウナギ屋だけである。
骨は固く、脂も強く、通常の料理方ではウナギの味の良さはわからない。
ウナギ料理は蒲焼と白焼きが有名。
蒲焼という料理法が見つかる前は屋台で焼いて売られた下魚と記述が残る。
日本にいるウナギの種類はニホンウナギとオオウナギの2種類、蒲焼で調理されるのはニホンウナギ。
血液と粘液には毒性があり、特別な処理をしないと刺身では食せない。
生態も細かいことまでは解明されていない。
日本から2,500km南下した西マリアナ海嶺付近で産卵、親は命を全う。
卵は浮遊しながら孵化し、幼魚は海流により各地の沿岸に流れ着く。
河口付近で成長するものもあれば、清流域まで遡上し成長するものもいる。
3~10年で成長し成熟すると海へ下り産卵の旅に出る。
「え」から始まる魚へんの漢字
鱏・鱝・鰩 エイ
座布団のような四角い平たい魚体に尾びれがついている。
煮物や干物にして食される。
エイは食材として一般には人気がない。
雌雄それぞれ生殖器を持ち交尾をする。
卵胎生で稚魚を出産する。
アカエイ、ヒラタエイ、ツバクロエイ、ヤッコエイ、トビエイ、ヒメイトマキエイや大型なマダラエイ、イトマキエイ(マンタ)など種類は多い。
多くのエイが尾には強力な毒棘を供えている。
鋭利な歯は無いが臼状の歯を持つ。
鱛 エソ
細長い魚体で目は小さく、口裂け女のように大きく開く口が目の後方まで続く。
水底で動かず中層を泳ぐ獲物を待ち、小魚が通ると飛びついて喰らいつき元の場所に戻る。
時には砂に潜り、目だけを出し待ち伏せをする。
身は白身で上質だが小骨が多く、現在最適な調理法がみつかっていない。
かまぼこなどの練り製品では重宝されている。
マエソ、アカエソ、オキエソ、トカゲエソ、ホシノエソなど種類は多い。
鰕 エビ
エビは通常漢字2文字で海老と書く。
魚ではなく甲殻類・節足動物。
刺身、焼き物、天ぷら、フライ、ステーキ、鍋物や多くの料理の具として利用され、食材の中でも人気が高い。
料理の中にエビが入ると高級感が上がる。
モエビ、スジエビ、サラサエビ、シバエビ、クルマエビ、クマエビ、セミエビ、ゾウリエビ、ウチワエビ、アカザエビ、イセエビなど種類が多い。
クルマエビなどの中型サイズのエビは資源確保のため養殖が進められている。
イセエビを釣って持ち帰る密漁ニュースを最近多く見るようになった。
「お」から始まる魚へんの漢字
鰧 オコゼ
ブサイクな顔と魚体で知られるオコゼ。
身は白身、淡白で美味、刺身、汁物、鍋、唐揚げ、煮物などが喜ばれる。
水底で動かずに口前を通るエサを待ち伏せする。
口、頭、ヒレ、胴体、尾の先端まで全体を皮弁と保護色をまとい、石や海藻に擬態している。
側で見ても見分けられぬことが多い。
背ビレには強力な毒棘を持つ。
なかでもオニダルマオコゼは非常に強力な毒を持ち、刺された人間が死に至ることもある。
調理にも毒棘は危険。
オコゼの毒棘は危険だが味は良く、ハサミなどで背中の毒棘を取り除いた後は気軽に扱える。