新型コロナウイルスワクチン初期治験良好
コロナワクチン初期治験効果あり
USAバイオ医薬ベンチャーモデルナ
5月18日、USAバイオ医薬ベンチャーのモデルナは、新型コロナウイルスワクチンの初期の治験の結果が良好的な結果だったと発表。
初期治験は18~55才、男女45人、3つのワクチン量に分けて調べた。
少最ワクチン量を含めた8人からウイルス感染を予防する中和抗体の確認ができた。
現在大きな副作用は見られていない。
また異なる量を投与した治験参加者複数からも抗体の確認ができた。
第2段階の治験を5月中に600人規模で行う。
第3段階の治験は7月に7000人規模で実施し早期量産を目指す。
ワープスピード作戦
新型コロナウイルスに有効であれば、ワクチン供給体制を経済的に後押しする可能性があり、モデルナは開発と並行し量産に向けた準備も本格化する。
トランプ米大統領はワクチン開発迅速化のためワープスピード作戦を実行すると表明。
有望ワクチン候補を絞り込み、有効確認と並行して生産体制を経済面で支援する。
モデルナは今年の年末までに10億人分のワクチンを製造することを目標にしている。
mRNA-1273
今回のモデルナが開発している新型コロナに有力なワクチン候補は mRNA-1273 。
mRNAはメッセンジャーRNAまたは伝令RNAと言う。
生物は遺伝子(DNA)を持っている。
DNAは主に生命維持に重要なタンパク質を作る設計図を持ち、そのDNAの設計図を伝令するのがRNAの役割。
RNAが設計図を伝令することによってタンパク質が作られる。
治験とは治療薬の臨床試験
最初は動物実験
治験とは新薬候補の臨床試験のこと。
新薬の開発は有効性がみられそうな新薬候補を開発すると最初はラットやウサギなどで動物実験を行う。
動物で有効性が認められ、副作用の問題が無ければ治験へと進む。
治験は3段階で試験をする。
第1段階 (P1)
少人数の健常者または軽い症状の患者で治験薬(新薬候補)を試す。
少量から治験薬を徐々に増やし安全性を調べる。
また、治験薬の体内への吸収量と時間、体内からの排出時間などを調べる。
第2段階 (P2)
少数の効果が期待できそうな患者に治験薬を投与する。
実際に病気に効果があるのか、どのような効き方をするのか。
治験薬の効果的な量や投与時間、そして副作用の状態を調べる。
第3段階 (P3)
多くの患者で治験薬を試す。
多数の患者データで治験薬の有効性と副作用について調べる。
効果と安全性の最終確認をする。
審査
厚生労働省で最終的な審査(通常1~2年)をして新薬の誕生。
新薬が誕生するには通常9~17年かかる。
新薬候補が11,000個あっても、そのうち新薬になるのは1つぐらいしかない。
その他のワクチン開発
4種類のmRNAを同時開発するバイオンテックとファイザー
ドイツのバイオンテックと米国のファイザー共同で年齢など患者に合わせた4種類のmRNAワクチンを開発。
治験第一段階を進行中。
ノヴァヴァックスの伝統的な手法
USAのノヴァヴァックスのワクチンは、「抗原性補強材遺伝子組み換えナノ粒子」という伝統的な手法。
治験第一段階を開始。
世界最大級の製薬会社ジョンソン&ジョンソンは違うアプローチ方法
ジョンソン&ジョンソンは他社とは違う非複製ウイルス運び屋(Vector)型のワクチンを開発中。
急いで中途半端にならぬようにじっくり考えて開発。
治験第一段階は9月頃予定。