北西太平洋で調査捕鯨2年ぶりに再開
目標ミンククジラ80頭
ミンククジラ上限80頭
太平洋沿岸の調査捕鯨が始まった。
昨年は国際捕鯨委員会の都合で調査捕鯨は行われなかったので2年ぶり。
目的は商業捕鯨の再開。
そのためクジラが漁業資源に与える影響などを調べるという名目で秋までに80頭のミンククジラを捕獲する。
船は4月5日、石巻市の鮎川港を出港。
4月いっぱいは鮎川港を拠点として、その後は青森の八戸港と北海道の釧路港に拠点を移し、北西太平洋沿岸で漁をする。
南極への遠方捕鯨ではなく、日本近海の捕鯨。
調査捕鯨は何をする?
クジラの年齢を調査
クジラを捕獲後に解体して、クジラの耳垢栓や歯を調べ年齢を確認する。
食性を調査
何を食べているか調べるために胃袋を切って内容物を確認する。
調査の後は食用肉として活用。
国際捕鯨取締条約において、捕獲したクジラは可能な限り加工して利用しなければならないと規定されている。
ミンククジラとは
サンマを食べるミンククジラ
ミンククジラは全長7~10m、体重は7~8t、の小型のヒゲクジラの1種。
繁殖力も高く、妊娠期間は10ヶ月で2.5mほどの子供を産む。
寿命は50年。
南極の海に生息するクロミンククジラは主にオキアミを捕食するが日本近海に生息するミンククジラはイワシやサンマなどの魚類を主に捕食する。
最近サンマ漁が低迷している。
ミンククジラが多くなりすぎれば更にサンマは減ってしまうのか?
サンマが減る原因
ミンククジラは昔からサンマやイワシを食べていた。
サンマが減るのはクジラだけのせいではなく、一番大きい原因はやはり人間だろう。
大量に捕っている。
日本だけでなく中国、台湾、韓国からも多くの漁船が今まで漁をしなかったエリアに出漁して操業。
また水質汚染、ゴミ流出、最近耳にするマイクロプラスチックによる海洋汚染で魚は減る。
これも人間による影響。
世界中で捕鯨
1960年代にクジラは1年間に66000頭殺されていた。
日本のように食肉にするための目的で捕鯨をした国もあればアメリカのように鯨油だけを取る目的で捕鯨をしていた国もあった。
鯨油のみを取り、肉その他は海へ投棄した。
種類多くのクジラが絶滅危惧種となった。
種類を限定した調査捕鯨
捕鯨活動の一時停止
1986年、国際捕鯨委員会は捕鯨活動の一時停止を決議。
日本はその後も調査捕鯨という名目で捕鯨を続けてきた。
商業的に鯨肉を販売していることが判明し、2014年国連より南極海周辺の捕鯨活動停止命令が下った。
それでも日本は無視をして南極周辺で数年の間、調査捕鯨を続けた。
現在、南極周辺での調査捕鯨はしていない。
しかし北西太平洋沿岸のみで期間と種類、数を決めて調査捕鯨を行なっている。
シロナガスクジラやセミクジラはまだあまり増えず、今だ絶滅危惧種になっている。
現在、捕鯨禁止のおかげで多くの種類のクジラが増え、絶滅危惧種から外れている。
日本では絶滅危惧種にはなっていないミンククジラ、ナガスクジラ、マッコウクジラ、ニタリクジラ、イワシクジラを調査捕鯨として捕っている。
クジラの味
クジラは旨い、刺身が特に好きだがクジラのベーコンも好き。
クジラ肉のソース煮や缶詰の大和煮も懐かしい。
酢味噌で食べるさらしクジラは日本酒に合う。
昔、肉が高く購入し難い時代に比較的安いクジラ肉がよく使われた。
庶民が入手し易い大切なタンパク源。
学校の給食でも当たり前の献立。
たまには食べたいものだが最近は高くてなかなか食べる機会がない。
クジラを食べる習慣も減った。