見えない小さな猛毒イルカンジンクラゲ
猛毒小さなイルカンジンクラゲ
0.5~3cm
先日紹介したキロネックスが世界最強の猛毒を持つ毒クラゲ。
けれどもう1種類やっかいなクラゲがいる。
名前はイルカンジンクラゲ。
長くても触手は50cmほど。
体の大きさは0.5~3cmほどとても小さい。
ゆえに泳いでいる姿を目視することが難しい。
キングコブラの100倍
気をつけていなければ見えないし、気をつけていても見えないかもしれない。
透明度が悪ければまず見えない。
形はアンドンクラゲをそのまま小さくしたようなクラゲ。
箱形の体に4つに垂れ下がる房がありそこから1本づつ合計4本の触手が延びている。
毒の強さはキングコブラの100倍。
小さいのに猛毒。
他のクラゲと違い触手だけでなく傘の本体部分にも刺細胞を持つ。
刺されるとどうなるか
最初は解らない
イルカンジンクラゲはとても小さい。
刺された瞬間には痛みが解らないこともある。
刺された傷も目立たない。
そして激痛
しかしその後、数分から数時間後に胸や背中に激痛が走る。
急激な血圧上昇(時に血圧300以上)、激しい皮膚の炎症、精神不安、最悪の場合脳内出血を起こし死に至る。
イルカンジン症候群と呼ばれる。
水面にいたら溺れる。
クラゲに刺されたら早めに陸上やボート上に避難するべき。
強力な鎮痛剤であるモルヒネも効果がない。
激痛を和らげることが出来ない。
男性の場合なぜか勃起した状態が持続することがある。
この部分だけ進める研究が出来ればバイアグラのような薬品が開発できるかも。
イルカンジン症候群に効く免疫はまだ出来ていない。
イルカンジンクラゲの海域
オーストラリア
被害が出ているのはオーストラリアの北東部からインドネシア、日本人観光客の多いバリ島など。
濁った海には裸で飛び込まないよう用心が必要。
イルカンジンクラゲやキロネックスなどのクラゲの被害は海域が決まっていることも多い。
ゆえに現地でのクラゲに関する注意情報をよく聞くことも重要。
また、海は続いているのでそれ以外の海域でも注意をしなければいけない。
風下は要注意
特にクラゲは深度の浅い海域を風に吹かれ流れに乗って移動していることが多い。
風下の湾内や海岸では特に気をつけて欲しい。
海で遊ぶにはピッタリ体にあったウエットスーツを着用することが好ましい。
ウエットスーツやマリンブーツ、マリングローブで覆われている部分はどんなクラゲにも刺されることが無い。