潮溜まりでもダイビングでも良く見るアオウミウシ
誰でも見つかるアオウミウシ
目立つウミウシ
関東近辺で見るウミウシで一番多いと言えばアオウミウシ。
青くて目立つので居れば誰でもすぐに見つけることが出来る。
大きさは4cm以下。
温体系のウミウシ
本州と九州にに分布するが沖縄では見ない温帯型のウミウシ。
暑い熱帯域の海では生きられない。
そして寒い冷水域も嫌い。
あまり深い所にはいない
浅い潮だまりから深度16mまでの汽水の入らない海に生息。
20mより深い深度では見られない。
底質が岩や石であることが条件。
砂地にはいない。
好物のエサはダークグレーのクロイソカイメン。
アオウミウシは軟体動物
海のナメクジ
アオウミウシの形はナメクジに似る。
軟体動物なので大きく分類すればイカ、タコ、巻貝、二枚貝、ウミウシの仲間。
ナメクジはカタツムリの貝殻を取り除いたような感じ。
巻貝の貝殻を取り除いた状態もウミウシに似る。
ウミウシの仲間には体内に殻の一部(貝の名残り)を持つものもいる。
アオウミウシはドーリスタイプ
ウミウシの種類は多く色も形も様々。
種類は形でおおまかに分ける。
ナメクジに似たアオウミウシはドーリス亜目イロウミウシ科。
ドーリスタイプと覚える。
アオウミウシの特徴
色鮮やかなブルー
名前の通り本体の色は鮮やかなブルー。
ブルーの中にダークブルーのドット柄があるものもいる。
腹足部と背面部の二段に分れる。
背面部の縁は黄色で縁どられる。
触角と眼
二本の触角はオレンジ、この触角で臭いを判別してるらしい。
眼は触角の後部の皮膚に埋もれている。
目の機能は退化して明るさを判断できるぐらい。
エラと模様
背面後部に肛門がありその周囲を白地に縁がオレンジのエラが囲む。
このような外部に突出したウミウシのエラを二次鰓と呼ぶ。
触角の中央後部から二次鰓に向けて1本の黄色線が入る。
幼体は柄がないが成長するに従い中央の両側に黄色い点や線の模様ができる。
黄色い点や線の模様は個体や成長度合いによっても違う。
アオウミウシの繁殖
オスメス両方の生殖意を持つ
初夏の5~7月に交尾をする。
アオウミウシは雌雄同体。
オスの生殖器とメスの生殖器の両方を体内に持つ。
ただし自分自身だけで受精増殖することはできない。
アオウミウシの交尾
増殖するには他の個体の精子が必要。
精子を受け取るために交尾をする。
気にいった相手を見つけるとお互いに体側中央部分を接触し合い半透明の生殖器を相手の体内に接合し射精する。
大抵の場合はお互い同時に交尾をして精子を与え合う。
アオウミウシの卵はリボン
交尾後に岩や海藻などに白い渦巻のリボン状の卵塊を産む。
ゼリー状の卵塊の中の卵の数は数千~数百万個。
7日前後で孵化する。
孵化して卵塊から飛び出した赤ちゃんは小さな巻貝のような形をしている。
クルクル泳ぎ回り、プランクトンをエサとして育つ。
2~3mmの大きさになると貝殻を捨ててエサのクロカイメンの近くに着底。
その後、好物のクロイソカイメンを食べながら成育する。
大きな台風が来て水底を荒らした後は半年以上姿が見られないこともある。