海に浮かぶ竜涎香はマッコウクジラの結石、1グラムで2,000円
3億円以上?クジラが排出した約100kgの竜涎香をタイの漁師が発見
2020年11月23日タイ南部の海岸
タイ南部の海岸を散歩していた漁師が黄色い変わった石を発見。
石の塊は複数打ち上げられていた。
噂に聞く竜涎香かも知れない。
ライターの火で炙ってみると表面が溶けてなんとも言えない匂いがした。
全部で100kg
従兄を呼んでトラックに積み込む。
拾い集めると全部で100kg。
値段はいくらになる?
100キロで3億3000万円
自宅へ車で運ぶ。
品質が良ければ1kgあたり360万円。
100kgで3億6000万円。
まるで正月相場の一番マグロのような値段。
近年2006年までの竜涎香の発見
2006年1月オーストラリアの海岸
約15kgの竜涎香を発見、3300万円。
2012年8月イギリス
600グラムで竜涎香を発見、約500万円。
2013年イギリスの海岸
2.7kgの竜涎香を発見、約1900万。
2016年5月イギリス
1.57kgの竜涎香を発見、800万円。
2016年2月タイ南部の海岸
7kgの竜涎香を発見、2700万円。
2016年11月オマーン
80kgの竜涎香を発見、約3億3000万円。
2018年2月沖縄県
150グラムの竜涎香を発見、金額不明。
2018年12月沖縄県
150グラムの竜涎香を犬が発見、金額不明。
2019年タイ南部の海岸
6kg超の竜涎香を発見、3400万円。
2020年8月台湾の離島
11kgの竜涎香を発見、2200万円。
2020年11月タイ
100kgの竜涎香を発見、約3億6000万円。
2021年2月タイ南部の海岸
7kgの竜涎香を発見、2700万円。
2021年6月イエメン沖
漂流しているマッコウクジラの体内に172kgの竜涎香を発見、約1億6500万円。
2021年9月タイ南部の海岸
約30kgの竜涎香を発見、1億2500万円以上。
2022年9月奄美大島の海岸
11グラムの竜涎香を発見、金額不明。
2023年7月アフリカ北西のカナリア諸島の海岸
打ち上げられたマッコウクジラの腸の中から9.5kgの竜涎香を発見、7700万円超。
竜涎香とはマッコウクジラの結石
竜涎香の呼び名
竜涎香とも龍涎香とも書く。
読みは「りゅうぜんこう」。
昔の中国では龍の涎(ヨダレ)が固まったものだと考えられていた。
Ambergris
英語ではambergris、読みはアンバーグリス。
amberは琥珀、植物性の樹液が地面の中で化石化したもの。
ambergrisはフランス語で灰色の琥珀、打ち上げられた竜涎香の色。
竜涎香の利用
世界的に量が少なく、香料の原料として高値で取り引きされる。
シャネル N°5の原料としても使われる。
また漢方としても利用され咳、気逆、胸痛、腹痛、排尿障害、意識障害の症状に効き目があるとされる。
竜涎香はマッコウクジラの体内で出来る
捕らえたイカは丸のみにする。
イカのクチバシであるカラストンビは消化できず吐き出される。
だがたまに腸まで流れ込むことがある。
そしてそんなカラストンビが腸に刺さると。特殊な脂が分泌されカラストンビを覆う。
幾年もの歳月をかけ脂の層が重なり真珠のように大きく結石化する。
腸から外れれば糞と一緒に排出される。
排出されない結石は巨大化していき最後にマッコウクジラが腸閉塞をおこし、やがて死ぬ。
腐乱した後、水より軽い結石は潮流に乗って海面を漂う。
竜涎香の最初は臭い
体内から出たばかりの竜涎香は糞と一緒なので臭い。
動物の糞の臭いがする。
色も黒い。
竜涎香は空気と紫外線で時間をかけて育つ
軽い竜涎香は水面に浮いて漂流する。
空気に触れ、紫外線を浴び酸化、長い月日をかけて竜涎香の品質が向上していく。
嫌悪臭から良質の香りに変わる。
竜涎香の価格
酸化の進み具合に応じて黒色、茶色、緑色、灰色、黄色味を帯びた灰色、白色と様々な色がある。
黄色味を帯びた灰色の竜涎香が最も高値がつく。
現在、竜涎香の価格は1グラムで2000~3000円。
竜涎香を見分けるには
竜涎香は軽石のように水に浮く。
叩くと石より柔らかい音がする。
火で炙った熱線を当てると溶けて良い香りがする。
溶けた部分は黒く変色し3時間過ぎても固まらずベトつく。
大きさは数グラム~100kg以上まで様々。
色は黒色、茶色、緑色、灰色、黄色味を帯びた灰色、白色。
形も様々。
何処の海でも竜涎香を見つけられる可能性はある
日本近海にはマッコウクジラが生息している。
浮いて漂流する竜涎香は何処の海でも見つけられる可能性がある。
マッコウクジラの1000頭に1頭が竜涎香を作り出す。
世界に生息するマッコウクジラは現在200万頭。
計算すると2000頭のマッコウクジラが竜涎香を持っていることになる。
一攫千金をつかんでみたい。