1ヵ月後に沈没したタンカーの油が流れてくる?
事件は7週間前に起こった
原油塊が漂着
原油の塊が流れ着いた。
奄美大島にもトカラ列島の宝島にも。
今後この原油の漂流物はさらに広範囲に届きそう。

黒いネットリした油の塊は海洋生物に被害を与える。
サンゴは死滅し、この漂流物の下敷きになった生物も呼吸ができなく死んでしまう。
貝も、魚も・・・・・・
タンカーの衝突
事故が起きたのは今年2018年1月6日、シャンハイの沖、東に300kmあたりで中国の貨物船とイランの海運会社が所有するタンカー「SANCHI」が衝突。
「SANCHI」は衝突後すぐに爆発を起こし炎上。
その後、中国船による消火活動をしたが炎上と漂流を8日間続け、1月14日に奄美大島の西方300km、日本の排他的経済水域にて大爆発を起こして深度115mの水底に沈んだ。
沈没した後も海面は燃え続け翌1月15日午前10時になるまで消えなかった。
乗組員32名は全員死亡。
中国の貨物船の乗組員21名は全員無事。
積み荷は毒
「SANCHI」は軽質原油「コンデンセート」136000トンをイランから韓国へ向けて運んでいる最中の事故。
燃料として重油1900トンも積んでいた。
原油は黒色だが軽質原油の「コンデンセート」は違う。
コンデンセートは無色透明の軽質液状の炭化水素、温度が低くなると粘質状になる。
硫化水素、ひ素、水銀、鉛を含むこともあり、毒性が高い。
揮発性が高く、爆発もし易い。
これからどうなる?
沈没タンカーの残量は解らない
沈没した「SANCHI」の爆発と炎上でどれだけの燃料の「重油」と荷物の「コンデンセート」が船内に残っているのか解らない。
まだ、船内に「コンデンセート」が多量に残っているとなるとこれからも流出は続き多量の海洋生物に打撃を与える。
「SANCHI」が沈没した海域は魚の産卵場であり、越冬する場所。
クジラの回遊域でもある。

上記図は海流による今後の汚染物質の漂流予想。
3つの考え
「コンデンセート」は深度115mの水底では温度が下がり粘質状になり流出しにくいと考える人もいる。
他にも「コンデンセート」は軽質の原油のため比較的速く蒸発し分散されるので、大きな問題にはならないという意見もある。
また環境専門家には今後広範囲に「コンデンセート」が広がり大きな被害が出るのではと懸念している学者もいる。
このような状態なのに日本の行政の動きは鈍い、海上保安庁が水質の検査などをしてる。
まもなくやってくるかも?
最初の写真は黒い油の塊なので「SANCHI」の燃料の原油のようである。
この原油以外にも「コンデンセート」が薄められた海水がこれから広く、韓国、九州、対馬、日本海沿岸、太平洋沿岸、関東近辺にも流れてくる可能性がある。
早ければ1月後、遅くとも3月後にはやってくる。
大丈夫なのだろうか?