千葉県勝山のボートダイビング

速すぎて見えない

まだ浮上するには少し時間がある。

ダイビングの終わりに足元を見ると岩の隙間の砂地が動いた。

何かがいる?

砂をステンレス棒で触るとその瞬間現れて砂地に潜る。

小さな砂煙が立つ。

2~3回同じ動作を繰り返すも生物の正体は速すぎて見えない。

なんだこれは?

魚のような感じはする。

メゴチの仲間のようだが細長い。

ベラギンポに行動は似るが何か違う。

秘密の道具が役に立つ

触らずに砂地から魚を出す方法はないか?

最近新しく準備した秘密兵器が役に立つ。

その名はスポイト。

プラスチックで出来たやや大型のスポイト。

今まで出番がなく活躍するのを待っていた。

水を吹きかけてみる。

濁ることはなく、少しづつ砂が流れていく。

4回ほど繰り返すと正体が現れた。

魚の名前に心あたりがない

トビギンポ

 

逃げることなく砂中にいた時と同じポーズのまま動かない。

本人はまだバレていないと思っているようだ。

水底から現れたものは?

グレーで大きさ5cmほどの細長い魚。

今まで見たことがない。

メゴチではない、体が細長い。

ベラギンポでもない、色も泳ぎ方もいる場所も違う。

ウツボの子供でもない。

ミミズハゼのような感じ、けれど今は解らない。

後日写真鑑定に

近いものが最近見えない目の換わりに写真を撮って浮上する。

数日後、写真を確認する。

確かに細長い魚が写っている。

砂地と保護色の細長い魚、大きさは5cmほど。

グレーの体色に黒のボーダーライン。

ラインの数は7本、鱗はあるように見える。

体はSの字ではなく、ほぼ直線。

トビギンポ

ドジョウよりも細長い。

頭は三角で口がやや尖り、ヘビを思わせる。

目は解りづらいが眼球がやや飛び出し気味。

魚体に対して胸ビレは大き目。

はて?

こんな魚に覚えはない。

もしかして新種?

もしかして新種だったり?

まだまだ海の中には新種の生物がいてもおかしくない。

可能性は十分にあるものの、きっと名前があるはず。

大きな図鑑を持ち出して、最初から1匹づつ捜すことにした。

新種でなかったトビギンポ

魚類検索大図鑑を1ページづつ探る

図鑑の最初はメクラウナギとヤツメウナギから始まる。

似る魚はなし。

次は軟骨魚類のサメとエイ、当然スルーで通過。

ウツボの仲間、ハモとアナゴにも該当なし。

イワシ、サケ、マスには似ている魚はいない。

エソ?

エソの仲間はじっくり目を通す。

水底に動かずにいる姿は似ているが対象魚ほど細長いものはいない。

カクレウオにも該当魚はいない。

ヨウジウオの仲間は砂の上に留まるが素早くは泳げないことで該当から外れる。

ヤガラも細長いが着底はしない。

カサゴ、アイナメ、ハタンポ、ハナダイ、ハタ、シロギス、ムツ、アマダイ、アジ、フエダイ、タカサゴ、イサキ、ヒメジ、チョウチョウウオ、メジナ、ゴンベイ、スズメダイ、ベラ、ブダイと続くがスルーに通り過ぎる。

ギンポの仲間で再びじっくり眺める。

ギンポは水底に生息する細長い魚。

けれど該当する魚はいない。

トラギス?

そしてトラギス。

もしかして似てるかも?

水底に動かず、直線で止まっている様子は似ている。

口が尖って頭が三角、目がギョロメ。

但し砂には潜らない、そして魚体が対象魚のように細長くはない。

やはり該当する魚はいなかった。

ベラギンポ?

次はベラギンポ。

細長い体つき、尖った口と砂に潜る姿はピッタリ。

けれど魚体の綺麗さと模様が違う。

種類が少なくすぐ終わる。

次のページにある2枚だけの写真。

似ている。

名前はトビギンポ

ベラギンポの仲間で習性が同じ。

7本のボーダーラインと三角頭、尖った口、眼球がやや飛び出ている。

トビギンポ

ビンゴ!

新種では無かった。

念のため、「トビギンポ」でググってみると数枚の写真と情報が得られた。

伊豆では珍しくないらしい。

今まで見落としていたのか?

海は広いな~