沖縄県の大宜味村でバナメイエビ9万8千匹が急性肝膵臓壊死症(AHPND)で死んだ

急性肝膵臓壊死症(AHPND)9万8千匹が死ぬ

沖縄県の大宜味村の養殖でタイから8月に輸入したバナメイエビの稚海老10万匹のうち9万8千匹が死んだことが話題になっている。

大宜味村

原因はエビの伝染病、急性肝膵臓壊死症(AHPND)と確認された。

急性肝膵臓壊死症はエビの伝染病で人間には移らないとされる。

たとえ急性肝膵臓壊死症で感染したバナメイエイビを食べたとしても人間には移らない。

ならばちょっと安心。

なぜ、そんなに話題になるのか?

急性肝膵臓壊死症は感染力が強い

急性肝膵臓壊死症は感染力が強く、養殖池の1匹が感染すると全てのエビが感染する。

感染した後、20~30日で急激に死滅する。

致死率は40~100%、運が悪ければ養殖池全てのエビが死滅する。

名前のとおり肝臓や膵臓が壊死する病気。

黒い内蔵が白もしくはスケルトン状に変色して死んでしまう。

そしてこの急性肝膵臓壊死症はクルマエビにも移る。

養殖クルマエビに移ったら?

沖縄県には沖縄本島の名護市、宜野座村、うるま市、南城市、八重瀬町、離島では久米島、石垣島、与那国島で16事業者がクルマエビの養殖を行っている。

もしもその養殖池に急性肝膵臓壊死症が伝染でもしたら大変なことになる。

事業者の収入が無くなり、それに関連する事業者も仕事が無くなり、クルマエビの価格も高騰する。

クルマエビの養殖はとても養殖技術が高い。

海外での難しい養殖は不向きで主に日本国内で養殖をしている。

バナメイエビの養殖消毒処理

死んだバナメイエビ9万8千匹の処分はもちろんのこと、残りの生きている2千匹のエビも焼却処分した。

使用機器の消毒、養殖池の消毒、養殖水は消毒後に中和して海に流すことになっている。

今回の騒動はタイから輸入した稚エビの中に感染エビが存在したのではないかと考えられている。

ところでバナメイエビってなに

バナメイエビは中南米の熱帯域出身

最近聞くようになったバナメイエビ、バナナエビとも呼ばれる。

昔は聞かなかった名前。

バナメイエビの生息地はメキシコから中部アメリカ、そしてチリの北側まで、年間水温20℃以上の海域に生息するクルマエビの仲間。

日本のクルマエビに比べるとやや小型だが味は良い。

熱による赤い発色は弱い。

病気に強く、東南アジアのブラックタイガー養殖もバナメイエビの養殖に変わりつつある。

利益率が良いバナメイエビ養殖

その理由は耐病気だけではなく利益率が良い。

稚エビからの養殖期間はブラックタイガーが6ヶ月必要なのにバナメイエビは3~4ヶ月で育つ。

ブラックタイガーは底生だがバナメイエビは遊泳生なので生産量が大きい、水1㎥の中で育てられる生産量はブラックタイガー30匹に対してバナメイエビは200匹になる。

またバナメイエビは弱塩水で育てられるので水の管理が楽である。

エサ代も全然違う

エサも動物性の魚粉エサで育てる他のエビに比べ、バナメイエビは植物性の大豆や小麦のたんぱくエサで育てられる。

動物性の魚粉エサ100kgあたり7万円に対して植物性の大豆や小麦のたんぱくエサなら同じ100kgあたり1万5千円、エサ代が約1/5で済む。

低コストで多く育てられるバナメイエビの人気が上がってきたのはこのような理由がある。

水温が暖かく維持できる東南アジアの中国、タイ、ベトナム、インドネシアなどバナメイエビの養殖が行われている。

寿司屋のエビもクルマエビからブラックタイガー、そしてバナメイエビと変わっている店もある。

これだけ育てやすいバナメイエビも病気の急性肝膵臓壊死症(AHPND)にはとても弱い。

まるで人間とコロナのよう。