ウツボへの思い

40年程前

はじめて試したのは40年程前のこと。

まだ近辺にはそれを食べた人はいなかった。

外見はとてもグロテスク。

一目見れば食い気より怖さが先にたつ。

歯も鋭く、噛まれれば指の1本もなくなりそう。

ウツボ trevalliesocean

細長い体は蛇のよう。

誰が食べたいと思うのか?

泳ぐ姿はクネクネとして海蛇を思わせる。

名前はウツボ

怖い顔をしているが水中では意外と大人しい。

エサを食べる時と敵に襲われたきだけ狂暴になる。

ダイビング中も黙って見ていればには何もしない。

そんなウツボが美味いと聞いて40年前に初めて料理してみた。

料理法は蒲焼、ウナギと同じニョロニョロな体型なので蒲焼が一番だと思った。

結果、良質で肉厚なたんぱく質の肉はとても美味かった。

美味いが小骨が硬い

けれど硬い骨が口の中で邪魔をする。

中骨もヒレ骨も全て取り除いたはずなのに細かな硬い骨が食味を損ねる。

何なのだろうこの邪魔な骨は、皮の下に沢山ある硬い骨。

他の魚とはまったく違う。

次に皮を取って焼いてみた。

小骨はなくなり食べやすくなったが旨みも落ちた。

この小骨の削除の仕方がわからず、それ以後料理することを止めた。

数年後に神津島でご馳走になった島料理のウツボの干物にもこの硬い小骨は残っていた。

そしてつい最近、ウツボの小骨の取り除き方を知った。

ウツボの捌き方、皮下埋没骨の取り方

ウツボをまず〆る

ウツボの歯は鋭い。

エイリアンのような咽頭顎も持っている。

そして生命力も強い。

陸上でも30分ぐらいは生きている。

生きたまま料理しようなど考えないほうがよい。

首の背側を脊髄ごと切り離し、まずは〆る。

小さなウツボは歩留まりが悪いので大きなウツボを使う。

ウツボのヌメリを落とす

皮膚の表面にあるヌメリは生臭い原因のひとつ。

また、血液と同様に毒もある。

目に入ったり、傷口に入らぬように十分注意をしなくてはいけない。

多めの塩で揉む、タワシと流水で洗う、洗濯機にかけちゃうなど色々な方法でヌメリが取れる。

少々手荒く扱ったとしてもウツボの皮は丈夫で壊れない。

十分ヌメリを落としたら捌きに入る。

捌き難い長い体

長いまな板があるならウナギのように目打ちをして安定させる。

目打ちができないときは滑り止めにタオルを下にひいてもよい。

長すぎるならば2等分、3等分に切ってからの方が捌きやすい。

包丁をよく研いでおく

ウツボの皮は切れない。

皮も丈夫なら、その下の皮下脂肪も丈夫。

剃刀のように包丁を研いでおかなければケガをする。

最初は背開きにおろす

皮を切る

頭の背側から通常の魚をおろすように2枚におろす。

ウツボの皮は切れにくい。

まずは表皮だけを切るつもりで刃を入れる。

表皮が切れたら次は皮下脂肪を切る。

皮下脂肪が切れたら身肉を切る。

通常の魚のように一度では切れないので小分けに刃を入れる。

刃が中骨まで当たれば第一段階。

 

ウツボの骨 trevalliesocean

 

ウツボの中骨はYボーン

中骨でつきあたると先に刃が進まない。

中骨がY字のように膨らんでいる。

刃先を皮側へ5mm間隔で浮かせるように小分けに刃を入れる。

1~2cmほど皮側へ刃が入れらるとそのまま腹側に刃が抜ける。

中骨を通過したなら通常のように開く。

中骨Yボーンを取る

背開きに開けたら中骨を外す。

反対側も中心から外へ少しづつ刃先を逃がすように進める。

外した中骨はだしが出るので鍋やつゆに使う。

通常の魚にある中骨から伸びる血合い骨をウツボは持たない。

血合い部に骨が残るようならV字に刃を入れて削ぐように取り除く。

背ビレ骨を取る

開いた半身にはまだ背ビレ骨と尻ビレ骨がついている。

背ビレを外すには皮ではなく、内側から刃を入れた方がやりやすい。

ちょうどヒラメのエンガワを取るような所作で背ビレ骨を外す。

尻ビレを骨を取る

背開きの身を左右の面2枚に切り分ける。

次に尻ビレ骨も内側から刃を入れて同じような要領で外す。

背ビレと腹ビレも細かい骨が無数についているので全て取り除く。

ウツボの(小骨)皮下埋没骨を取る

厄介な小骨(皮下埋没骨)は何処にある

ウツボの骨 皮下埋没骨 trevalliesocean

ウツボの厄介な小骨(皮下埋没骨)は名前の通り皮膚の下にある。

それも前部と後部で違う。

肛門から前の前部には中骨より上側の皮下に横一列びっしり硬い小骨が並んでいる。

ウツボの皮下埋没骨

前部はこの一列だけで終わる。

しかし、肛門より後ろの後部は下側にもあり、横2列にびっしり硬い小骨が並んでいる。

湾曲する小骨(皮下埋没骨)

無数にある小骨は湾曲している。

背側の小骨は上から皮下を通り中骨に向けて湾曲している。

後部の腹側の小骨は下から皮下を通り中骨に向かって湾曲している。

ウツボの背側の小骨(皮下埋没骨)を取る

中骨、背ビレ骨、を取り除いた身をよく見る。

 

中骨があったラインの他にもうひとつラインが見える。

そのラインの下に小骨(皮下埋没骨)がある。

このラインに合わせて包丁の刃先を皮までいれる。

すると小骨であたって刃が止まる。

次に骨に沿って背ビレ側へ小刻みに刃を入れる。

身と小骨のついた皮を離すようになイメージ。

小骨をの長さ以上に切れたら終了。

次に小骨のついた身から小骨を切り離す。

最初の刃を入れたラインに小骨を外すよう刃を入れる。

刃を入れたら小骨の湾曲に沿って皮まで刃を入れる。

そして皮と骨を分離するようにヒレ側へ小刻みに刃を入れていく。

やがて小骨がライン沿いに外れる。

腹側の小骨(皮下埋没骨)を取る

背側の小骨(皮下埋没骨)が外れたら前部はこれで終了。

後部の身にはまだ腹側の小骨(皮下埋没骨)が残っている。

腹側の小骨(皮下埋没骨)も同じ要領で取り除く。

前部は左右2本の小骨さく、後部は左右4本の小骨さくが取れる。

骨のなくなったウツボの身

これですべての骨が削除できる。

前部の身は皮を外して刺身、皮をつけたまま火であぶった炙り、蒲焼、鍋、すきやきとなんでも楽しめる。

後部は歩留まりが悪いので形を気にしない唐揚げなどにむく。

もし、ウツボを入手する機会があれば試す価値がある。

見た目より味の良さに驚くはず。