Contents

カイメンを食べるウミウシとカイメンの毒

ウミウシのエサ

江之浦のスミレウミウシ

最近、江之浦で見られているスミレウミウシ。

スミレウミウシ

本体はウベ芋のような紫に突起はラズベリー色、縁はシロクマアイスの練乳にマンゴシロップで模様を描いたよう。

食べたら甘そう。

なぜこのように色鮮やかなのか?

きっと綺麗な物には毒があるとアピール?

今日は海藻のキントキの上にいる。

スミレウミウシに寄り添うアオウミウシ

ここ何日間もクロイソカイメンの上にいた。

スミレウミウシとアオウミウシ

それもアオウミウシと仲良く並んで。

先週見た時はもしかして違う種類同士で交尾をしているのかと思った。

そんなことがあるのか?

そして生まれたウミウシはどんな色形のウミウシになるのか?

新しい発見かと思ったが写真を見ると違うらしい。

スミレウミウシもアオウミウシもグレクロイソカイメンを食べているよう。

ウミウシの食べ物

ウミウシは種類によってエサが違う。

カイメンを食べるウミウシ。

コケムシを食べるウミウシ。

ヒドラ虫のポリプを食べるウミウシ。

クラゲの触手を食べるウミウシ。

藻を食べるウミウシ。

海藻を食べるウミウシ。

他のウミウシを食べるウミウシ。

ウミウシの種類によって違う。

クラゲを食べるミノウミウシ

ムカデミノウミウシ

クラゲの触手を食べるミノウミウシの仲間はクラゲの刺す細胞を食べてそのまま自分のミノ部分に刺細胞を取り込んでしまう。

外敵がミノウミウシに触れると刺細胞から毒のある針が飛んでくる。

どのような仕組みで体に取り入れた刺細胞を自分のミノに仕舞うのか?

刺細胞を食べても刺されない、それだけでなくそのまま刺細胞をミノに仕舞い込めるのは不思議

食べた刺細胞を自分の武器にして外敵から身を守る。

ギンカクラゲを食べるアオミノウミウシ

これは新江ノ島水族館の動画。

アオミノウミウシが毒のあるギンカクラゲを食べているのがよく解る。

ギンカクラゲの円盤の縁の柔らかい部分をパクリ。

どうやら触手の刺細胞に触れるとアオミノウミウシも刺されているように見える。

刺されながらもギンカクラゲの触手を食べている。

本当は刺されていないのか?

カイメンを食べる

カイメンを食べるウミウシ

専門家の間ではアオウミウシがクロイソカイメンを食べることで知られている。

どんなカイメンでも食べる訳ではない。

特定の気にいったカイメンのみ捕食する。

アオウミウシは潮間帯の岩に着くクロイソカイメンが好物。

スミレウミウシとアオウミウシ

なぜカイメンが好きなのか?

カイメンの味

以前、カメのタイマイ(ベッコウ亀)が水底のカイメンを食べていた。

ムシャムシャと美味そうに食べ続け、やがて泳ぎ去った。

その後、食べた場所に行くとまだ食べ残したカイメンがあったのでタイマイと同じように食べてみた。

どんな味なのか?

グシャグシャとした食感、味は無い、海水の味でしょっぱいだけ。

口の中にはザラザラしたものが残り、砂をたべているような感覚。

不味くて吐き出した。

(多くのカイメンに毒があるのでマネしないように)

アオウミウシ 交尾中

カイメンの上で何日も動かないアオウミウシ。

きっとカイメンを食べている。

同じようにスミレウミウシがカイメンの上から動かない。

スミレウミウシもきっとカイメンを食べている。

カイメンの毒

多くのカイメンには毒がある。

この毒はカイメンが作っているものではない。

カイメンの体の中には多くの細菌が混在。

その細菌の中の一部に毒を作るものがいる。

カイメンはこの毒で外敵から食べられないように身を守る。

タイマイの毒はカイメンの毒

亀のタイマイにはこの毒が効かない、タイマイの主食はカイメン。

クラゲやカニ、エビなども食べるが圧倒的にカイメンをよく食べる。

タイマイの体内にはカイメンの毒が蓄積し、人間がタイマイを食べると中毒を起こす。

タイマイは毒を蓄積することで外敵から身を守っているのかもしれない。

けれどベッコウ細工に使う甲羅を欲しがる人間には無意味。

現在はタイマイ保護のためワシントン条約でタイマイとベッコウ製品の輸出入が禁止されている。

アオウミウシの毒もカイメンの毒

カイメンを食べるウミウシも体内に毒をため込む。

クロイソカイメンを食べるアオウミウシもクロイソカイメンの毒を体に蓄積する。

アオウミウシを食べるものはその毒にやられてしまう。

アオウミウシが毒だと知る生物はアオウミウシを襲わない。

毒をおびたアオウミウシは自らを青と黄色、オレンジの色をつけ目立つことで食べると害があるとサインを出している。

スミレウミウシもきっと毒がある

カイメンを食べるスミレウミウシ
カイメンを食べるスミレウミウシ

きっとスミレウミウシもカイメンの毒を体にため込んでいる。

それゆえに目立つ色彩で周囲にサインを出す。

綺麗なものには毒がある。

今日のスミレウミウシはカイメンから離れ移動している。

何日もかけてカイメンを食べていたようだが満腹になったらしい。

スミレウミウシ

レンガ色の海藻、キントキの上をゆっくり移動。

他のカイメンを捜しているのか?

満腹の後は恋の相手を捜しているのか?

スミレウミウシに乗るエビ

撮影時には解らなかったがこの写真に面白いものが写っている。

さあ~?

わかるかな?

スミレウミウシとエビ

スミレウミウシの上に小さな、それも体がスケルトンのエビが1匹乗っている。

牛に乗るエビ。

故意か?偶然か?

拡大してみる。

スミレウミウシとエビ

ちゃっかり、タダ乗り。

エビの名前は解らない。

大人なのか子供なのか?

スミレウミウシとエビ

スミレウミウシに隠れるエビ、やがてウミウシカクレエビのように鮮やかな色を纏うのだろうか。