Contents

江之浦アオリイカ産卵中

江之浦ダイビング復活

江之浦

アオリイカ産卵中

イシダイの大介の歓迎を受け、水温21℃、透明度3~6mの海。

アオリイカの産卵床があるのは水深15m。

ゴールデンウイーク後から始まったアオリイカの産卵。

今年は新型コロナウイルスの影響でダイバーに見られることもなく、自然の中で交尾と産卵が続けらる。

準備は3月

アオリイカのために3月に作られた海底の産卵床。

大きな木を1本水底に設置してある。

その横にはロープに吊り下げられた何十本もの枝葉が続く。

所どころに白い塊が見える。

アオリイカの卵

白い房のアオリイカの卵

白い棒状の房の中に7~8個の卵が入っている。

交尾した後1房づつ、産卵床に産みつける。

産卵床は流れ着いた木の枝やカジメ、ホンダワラなどの海藻。

アオリイカの卵

アオリイカの交尾は

アオリイカの夫婦は一夫一婦制。

交尾は中層で行われる。

オスが一回り大きく縞模様、メスは斑点模様。

アオリイカの卵

オスはメスにおんぶするように乗ると触腕手の片方をメスの体の中に挿入する。

そして精子の入ったカプセルをメスの体内に送る。

交尾を済ませた後もカップルは離れない。

産卵中も付き添うオス

メスは産卵のために産卵場へ近づく、産卵し易い枝を見つけると産卵床の奥まで入り、産卵する。

産卵は産まれたての卵の房を枝に巻き付けて完了。

その間オスは離れずにメスの側で見守る。

他のオスにメスを奪われないように体を盾にして視界を塞ぐ。

アオリイカの卵

白と茶色のアオリイカの卵

手前の卵は茶色くなっている。

産卵してから2週間以上過ぎている証。

奥の卵は綺麗な白い房。

産まれてまだ新しい。

それにしても凄い数。

何日もかかってここまで産卵した。

何匹のアオリイカが参加したのか。

敵に襲われないアオリイカの卵

房に入っている卵は不思議と敵から襲われない。

表面はフニャフニャしていて柔らかい。

それなのに噛切ることが出来ない。

どの魚も卵を食べようとしない。

魚にとっては臭いも無く、固い物質。

アオリイカの卵

もうすぐアオリイカの孵化

5mmのアオリイカ

この卵たちはもう少し水温が上がる7月上旬、卵の殻を破って孵化する。

その頃には白かった卵も全てが錆色に変わる。

古く茶色になることが孵化の兆候。

波に揺られるたびに房の先端からチビイカたちが飛び出してくる。

アオリイカの卵

大きさは5mmほど。

産まれた時からイカの形をしている。

小さいながら頭も胴も目も足もある。

色彩変化をする細胞も持っている。

大きな栄養玉を抱えて何を考えているのか。

アオリイカの卵

孵化した瞬間から泳ぎ始める。

全てのチビイカは水面を向かって泳ぐ。

大急ぎで上へ上へと泳ぎ、疲れると休む。

時には墨を吐き、自分の分身を作る。

産まれて直ぐ喰われるチビイカ

アオリイカの卵の孵化時期が近づくと多くの魚が中層に集まってくる。

人間でもイカは美味いのだから魚にとってもイカは旨い。

小さくて柔らかくて食べやすい大事な栄養源。

多くのイカの子供は産まれて直ぐに魚のエサになってしまう。

辛うじて生き延びたものだけが水面で赤ん坊時代を過ごす。

2ヶ月もするとコロッケサイズになる。

チビイカを食べていた魚が今度はアオリイカのエサとなる。

こぼれ落ちた卵

アオリイカの卵

枝から落ちた卵。

母親が上手に産めなかった。

ロープの上で元気に育つだろうか。

確率は低い。

答えは誰にも解らない。

産卵床によくいるウツボ

産卵床の定番ともいうべきウツボ。

アオリイカの産卵床があれば必ずいる。

産卵床の中層の枝に乗りエサがくるのを待つ。

ウツボ

アオリイカの卵を食べる訳でもチビイカを食べる訳でもない。

エサが来なければこの場所を諦める。