魚の耳石
耳石は頭の中
魚の年齢は頭の中にある耳石を見つければ素人でも知ることが出来る。
種類によっては鱗からも年齢を知ることが出来る。
耳石は魚の頭の中央部分近くに2つ存在する。
ほとんどが白く薄い楕円形で脆い。
20~30cmの大きさの魚で1cm前後の大きさ、種類によっても大きさ形は様々。
イシモチという名前の魚はこの耳石が白い丸い石のように見えるので石を持つという意味で石持ちと呼ばれるようになった。
魚釣りや魚屋で購入しても耳石を取り出すことが出来るのでチャレンジして見るのも面白い。
耳石コレクターなる人もいる。
耳石の年齢
耳石が入手出来たなら良く表面をルーペなどで見ると木の年輪のように幾重にも広がる輪が見える。
この輪が年輪で歳が1年経つことに1つの輪が増えていく。
日周輪
また肉眼では見えない日周輪も顕微鏡なら見ることが出来る。
日周輪は1日1本づつ線が増えていく、何日前に生まれたのかが解る。
ウナギの産卵場は
仔魚の耳石から
ウナギの仔魚から産卵場所を推定出来たのは捕れた仔魚の耳石から何日前に生まれたかを調べて、その日数をかけて海流に流されたことを計算した。
それを何年もかけて追い続けた。
大きな仔魚を捕獲し、仔魚の耳石の日周輪を数えて生まれた日数を割りだす。
それに海流を計算して流れの上流域へと移動する。
捕れる仔魚が小さくなるにつれ産卵場所に近くなる。
最後には生まれて1日過ぎたばかりの仔魚を捕獲できた。
潮の流れ、海底の地形を考慮に入れ、産卵場所の特定をした。
特定場所周辺でプランクトンネットを引いてウナギのタマゴを2個捕獲した。
ウナギのタマゴの個捕は世界でも初めてのことだった。
仔魚の耳石
計算も凄いが小さなウナギの仔魚の耳石を検出することも凄い。
とても小さくて肉眼では判断出来ない。
顕微鏡を見ながら作業をする。
その場所は太平洋の揺れてる船の上。
耳石で魚の年齢が解らなければウナギの産卵場所は特定出来なかった。
尾頭付きの焼魚を食べたときには耳石を見つてみよう。
年輪まで見られたら面白い。
川で育ったか?海で育ったか?
またこの耳石はカルシュウムで出来ているが微量のストロンチウムが含まれている。
耳石のストロンチウムの量を電子線マイクロアナライザーで元素分析をして調べることが出来るようになった。
耳石の中でいつどれぐらいの量のストロンチウムがあるかで海水で育った時期、淡水で育った時期まで解るようになった。