クマドリカエルアンコウに逢いたくて

安良里

11月の連休初日は西伊豆の黄金崎にある安良里ビーチでダイビングをしてきた。

馬の頭に似た岩

雨予報から曇りへ、そして晴に予報が変わった。

水温は22℃、11月に入り伊豆半島全体の水温が少し落ち始めた。

なぜ濁る?

そして透明度はなんと6m?ここも透明度がよくない。

前回の江之浦もよくなかったがなぜ?

例年なら水温が下がり透明度が良くなってくる、けれど逆に落ちている。

潮の流れがなく広い範囲で止まっているのだろうか。

そう思いながら目的の魚を捜しに潜る。

砂地まで下りて深度16mにあるガイド目印のロープまで移動したら10mの深度まで岩づたいに浮上する。

畳ぐらいの岩が2枚くっついている周辺を捜す。

2cmのクマドリカエルアンコウ

すると海藻の陰から白い小さな魚体が見えた。

頭の角を折りたたんでいる

ベテランダイバーにとても人気のクマドリカエルアンコウ。

めちゃくちゃ可愛いクマドリカエルアンコウ

クマドリイザリウオ

もともとはクマドリイザリウオという名前だった。

10数年前にイザリウオという名前が差別用語だとして突然変更された。

「いざる」という言葉の意味を聞いても若い人はほとんど知らない、現在はほとんど使われなくなった言葉だ。

ゆえに名前を変えなくても良いと思う。

少し思い違いをしている感がある。

いざり

いざるとは、躄る、膝行る、座ったまま膝を床に着けて手で這いずること、また尻を床に着けたまま手を使って移動すること。

第二次世界大戦が終わり20年近く過ぎたころ、サングラスをかけ真っ白い服を着て白い帽子をかぶった両足の無い人を見かけることがあり、子供心に怖かった。

戦争で両足を失った人だった。

そのような人を「いざり」だと母親は言っていた。

還暦を迎える人でも「いざり」という言葉を知らない人もいる。

イザリウオはこの「いざり」からきている。

泳ぎが下手

実はこの魚、浮き袋を持たず中世浮力が取れず、中層を泳ぐのがとても苦手。

泳ぐのも疲れるらしくあまり泳がない。

どちらかいうと一か所にじっと動かずに留まっている。

移動するときは胸ビレで這うようにして歩く。

胸ビレは指のように動かしたり岩をささえる事ができる。

特技はフイッシングと早食い

泳ぐのは遅いが魚を食べるスピードはF1なみに早い、泳いで襲うのではなく、目の前にエサが来ると大きな口を開け水ごとエサを吸い込むようにして食べる。

イザリウオの仲間はエスカーという釣り竿を持っていて先端には疑似餌が着いている。

エサとなる魚が近づくとエスカーを振って疑似餌を踊らせる。

魚が疑似餌を見に近寄るとアっという間に食べてしまう。

頭の角と背びれの間にあるオレンジ色のポンポンが疑似餌だ。

めちゃ可愛い2cmのクマドリカエルアンコウ

カエルアンコウの種類は数種類いるが一番のお気に入りはこのクマドリカエルアンコウだ。

それも小さい幼魚に限る。

立派に頭の角を立てている

この写真の子は2cmほどの大きさでとても小さい。

でもこれぐらいの大きさが綺麗で可愛い。

大人はイボ

8~10cmほどの大きさになるが大きくなればなるほど体中にイボのようなものがあちらこちらに出来て綺麗とは言えなくなる。

この子には一つのイボも無く、色も純白にオレンンジの模様。

穢れなき幼いクマドリカエルアンコウだ。

歌舞伎のクマドリ

クマドリカエルアンコウのクマドリは歌舞伎のクマドリからきている。

歌舞伎役者がする隈取の化粧、顔に赤や黒の墨で太い線を描く姿だ。

クマドリカエルアンコウの模様は必ず目じりから始まり、後方へ向け三角形に広がる。

どのクマドリカエルアンコウも目じりから模様が始まる

ウルトマランに似ている。

クマドリカエルアンコウには白い魚体と黄色い魚体がいる。

この子は白いクマドリカエルアンコウなのでシロクマとも呼ばれている。

鹿児島のアイスクリームを想像してしまう。

この個体よりさらに小さい赤ちゃんは色が違う。

全身が真っ黒で無数のオレンジ色の点がある。

真っ黒でとても小さいので写真を撮るときピントが上手に合わせられない。

頭の上の白い角は前後にも動かすことができる。

クマドリイザリウオのウォーキング

いざりと名前のついたクマドリイザリウオの移動するシーン。

ゆっくり胸鰭を腕のように動かし、岩の上を這って行く。

見るには今がベストシーズン。

とても可愛いので是非見てほしい。