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伊戸のダイビングでドチザメ・アカエイと遊べるようになるまで8年の努力

ゴールデンウイーク前半

早朝でも明るい

昨日、久しぶりに千葉県館山市の外房伊戸のボートダイビングへ行ってきた。

ゴールデンウイーク前半、潮干狩りの時期とも重なり大渋滞が予想される。

am04:40に出発。

外は既に明るい、ライトもいらない。

夏が近づく。

首都高速に入り道は滑らかに進む。

多少の車が多いのは予想通り。

レインボーブリッジを渡り、お台場から再度海底トンネルをくぐり、大井埠頭へ渡る。

朝から渋滞

羽田を過ぎるころに赤いテールランプの渋滞が始まった。

まだam05:40だというのに多摩川を渡るトンネルはアクアラインへ行く車で並ぶ。

海ボタルだけでなく潮干狩りへいく人も多い。

渋滞はアクアラインの入り口を過ぎると流れだし、海ボタルを過ぎると渋滞解消。

木更津からは順調

とりあず木更津、富津とまだこの先に潮干狩りスポットが続くので空いているうちにさっさと通り過ぎる。

内房の館山縦貫道に入り、山中を館山目指してアクセルを踏む。

空は朝から気持ちの良い青が続く。

山間の緑は新芽も多く、青い若葉が美味しそう。

田んぼには早くも水が満たされ田植え時期。

伊戸は静か

無事に伊戸到着

渋滞はあったが待ち合わせのam08:00より30分早く目的の伊戸に到着。

20180429chibakentateyamasshiito
20180429伊戸の海 おだいぼから

気持ちの良い朝の伊戸の海。

風予報は南西の風6mだが現在はまだ吹いていない。

ほぼ凪の海、雰囲気が夏っぽい。

空気が澄んでいれば遠く伊豆大島や三宅島が見える。

緑の塔はdocomoのecoタワー

振り返ると直ぐそこには大山が見える。

20180429chibakentateyamasshiitodocomoecotower
20180429大山とdocomo eco tower

中央のグリーンのタワーはdocomoのecoタワー、FOMA基地。

高さ32.5m。

電線を引いて稼働しているのではなく、地上近くの半円形の太陽電池と頂上にある風力発電の風車が電源。

つまり、自給自足で動くFOMA基地ゆえにECOタワー。

ダイビングスタート

伊戸のダイビングサービス

このdocomoのエコタワーの手前にあるプレハブの建物が伊戸のダイビングサービスBOMMIE。

軽トラックにダイビング器材を乗せて港まで運んでもらう。

ダイビングスーツを着て港まで徒歩3分。

1本目の出航はam09:00

2本目はam11:00の予定

ブイ下深度20m

ポイントは港の真沖、出航4分で到着。

深度は20mの砂地、西側には楕円形の岩場が広がる。

強い流れがあることも多いので潜降ラインに掴まっての潜水。

今日は緩い流れが東から西へ。

潜降を始めると直ぐに水底が見える。

透明度は20m以上。

水温は16℃、だいたい平年並みの水温。

中層から魚が泳いでいるのが見える。

ドチザメとアカエイ

数えきれない

1.5mほどのドチザメとアカエイが泳ぎ回っている。

ドライスーツとBCDに空気を入れながら水底へ向かう。

黄色いカゴを2つに合わせたエサ箱の中には定置網で捕れた利用価値のない小魚のタカベやアジ、サバが入っている。

餌岩と呼ばれるようになった大きな窪みのある岩にエサを入れると数えきれないドチザメとアカエイがやってくる。

何匹かの大きなクエもやってくる。

他にもイシダイ、ウツボ、シラコダイ、スズメダイがおこぼれ頂戴!と言いたげに遠巻きに集まる。

昨日の動画⇐面白いので是非ご覧ください。

今日は5回以上噛まれた

餌岩に近づきすぎるとエサと間違われてアカエイとドチザメに頭や手、腕、腿などを齧られる。

素手は危険、水中では皮膚はふやけて簡単に傷ついてしまう。

噛まれてもダイビンググローブをしていれば大丈夫。

というのはドチザメの歯は小さく、グローブを食いちぎるほどではない。

アカエイの歯はすり鉢のような歯をして口の中に入れたものを擦るようにして食べる。

手を噛まれれば痛い、また擦傷で血が滲むぐらいの傷はできる。

上手な餌付け

ドチザメとアカエイがエサを食べる時には口を開けて水を吸い込む、その水と一緒に口の中にエサが入る。

エサを吸い込もうとしたきに、掴んでいるエサを手から放せばエサだけが口の中に入り、手を噛まれる心配はない。

また、ここのドチザメやアカエイは少しぐらい噛まれてもそんなに大げさなケガにはならない。

アカエイの毒棘は

それとアカエイの尾には毒棘がある。

皆が懸念している部分でもある。

強靭な棘でダイビングスーツも貫通する。

オセアニアなどの原住民は昔、槍先の道具にエイの棘を使っていた。

アカエイが毒棘を使うとき

アカエイの仲間は砂に潜って寝る。

その上を人間が踏んづけるとアカエイは苦しくまた驚き、背骨を反らし毒棘を足に刺したり、引っ掛けたりする。

東京湾のお台場などでウインドサーフェアーがボードから落ちて着底した際アカエイに刺される事故がある。

アカエイは攻撃された時に毒棘を使う。

伊戸のアカエイ

伊戸のアカエイはエサが欲しくて泳いでやってくる。

ダイバーを外敵とは思っていない。

一緒にエサを食べに来た泡を吐く魚?

程度にしか思っていない。

またはエサをくれる変な奴という感じかもしれない。

敵意を持っていないので毒棘を使うつもりもない。

またそのような危険な状態にならない。

NGな行い

エサを食べにくるアカエイは下側の口と白いお腹を見せながらエサが欲しいと催促してくる。

下側には毒棘はない。

用心のためには毒棘のある尾の部分は触ってはいけない。

万が一刺されなくも棘はギザギザしており簡単に手の皮膚など切れてしまう。

傷を作ればそこから毒が入り痛むことになる。

水底にいるアカエイに乗ったり、踏んづけたりすること絶対に避ける。

注意事項

そうすれば貴重な時間をドチザメとアカエイとのスキンシップで楽しめる。

アカエイは頭を齧ることもあるのでフードも絶対被った方がお勧め。

またドチザメやアカエイが側まで泳いできてレギュレターにあたり、口から外れることもあるのでレギュレターリカバリーは落ち着いて対応する。

餌付けの良し悪し

オープンして8年

伊戸がダイビング施設としてオープンしたのは8年前。

定置網に入った処分するいらない魚の有効利用でもある餌付け。

餌付けは良し悪し、色々な考え方がある。

沢山のドチザメやアカエイを餌付けにより1カ所に集めることにより定置網に入ってしまう事を防いでもいる。

漁師にとってもお金にならない魚が沢山入ってしまい困ることも多い。

漁師にとっての悩み

アカエイやドチザメが網に沢山入ったら網を上げるのが重くて重労働。

また重ければそれだけ網上げに時間もかかり疲れる。

捕ったアカエイやドチザメは殺して海へ捨てるしかない、でなければまた網へ入ってしまう。

アカエイやドチザメの重さで他の大事な魚がつぶれて傷がつき、商品価値がなくなってしまう。

このような弊害が生まれてしまうので餌付けをして一カ所にアカエイやドチザメを集めておくという事は地元の漁師にとっても大きなメリット。

これだけの量のアカエイやドチザメが餌付けされ、ダイバーが安心して見られるポイントは世界でも他に聞かない。

世界でも有名なダイビングポイント

グランドケイマンのスティングレイシティー

エイで有名なのはカリブ海のグランドケイマン島のスティングレイシティー

深度6mの浅い砂地に大きなマダラエイが集まっている。

エサのエビを持っていくとマダラエイが寄ってきて手からエサを食べる。

スティングレイシティーではグローブとスノーケルの着用は禁止。

マダラエイに傷をつけないようにするため。

エサを食べに来たマダラエイにエサをあげずに隠していると握った手ごと口の中に吸い込まれ皮膚に傷を作る。

それでもグローブの着用は禁止、マダラエイFirst。

最初はエサ捨て場

スティングレイシティーはダイビングポイントのために餌付けをしたのではない。

漁師が漁の帰りにいらなくなったエサを捨てていた場所。

年中同じ場所に捨てていたらマダラエイが自然に集まった。

そこで面白いじゃないかと潜って見たらダイビングで餌付けが出来る。

やがて有名なダイビングポイントとなった。

伊戸も最初から餌付けが出来たわけでは無い

実は伊戸の餌付けポイントは最初からアカエイやドチザメに餌付けできた訳では無い。

ドチザメが沢山いるのは知っていたがなかなか側まで来てくれなかった。

エサを籠に入れてポイントに置きっぱなしにしたり、毎日エサを水底で撒いたりを続け、何年もの時を経て餌付け出来るようになった。

今では何百匹ものアカエイやドチザメが餌場で群れる。

ダイバーはその群れの中へ入れるまでになった。

現在の状態になるまで8年の時間と努力の積み重ねによるもの。

水中のシーンは動画 You Tube で世界へ配信され、世界からもダイバーが潜りに来るポイントになった。

ダイバーならアカエイやドチザメと一緒に潜って感動を味わいたい。