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日本で駿河湾でのみ水揚げされるサクラエビ

駿河湾サクラエビの漁が始まった

サクラエビ初水揚げ

2018年4月11日、今年初のサクラエビの水揚げが静岡県清水市由比港で上がった。

今まで南西の強風が続き漁が解禁になったのは先日4月10日の夜。

70隻の船が由比漁港から出船し、水揚げの総重量は2万4222kg、昨年の3倍の量、この10年で一番多い。

水揚げされたサクラエビ

サクラエビは15kg入りの青いケースに入れた状態で水揚げされ、鮮度維持のため冷蔵庫で一時保管され朝の競りにかけられた。

15kgで平均4万2636円の値がつき昨年よりも1000円高い取り引。

東京近辺ではサクラエビというと干しサクラエビがほとんどだが静岡では生サクラエビや釜揚げサクラエビ、サクラエビのかき揚げが食べられる。

お好み焼きと焼きそば

昔食べたお好み焼きには干イカや干しサクラエビが必ず入っていた。

また焼きそばにも干しサクラエビが入り、サクラエビの香りのする焼きそばが我が家の焼きそば。

あまりにも干しサクラエビの味が強いので個人的にはやや苦手。

最近味わっていない懐かしい味のひとつ。

40年前の出会い

初サクラエビの刺身

今から40年程前、静岡に住んでいた。

そのとき驚いたのはサクラエビが生で食べられることだった。

食べたことが無かったのでサクラエビの刺身は格別に嬉しかった。

桜色の4cm前後のサクラエビは見た目も綺麗で体が透けて見える。

口の中に入れるとほんのり甘い。

しいて言うならヒゲが長く邪魔。

その当時はサクラエビ漁のシーズンでないとサクラエビの刺身は食べられなかった。

今では冷凍技術が進み、現地周辺では1年中食べられるようになった。

花のようなサクラエビ

サクラエビを綺麗だと思ったのは清水から沼津へ湾岸のバイバスを走っていた時。

ちょうど由比漁港の真上を通る時に目に染まったのは港の敷地。

一面に広がるピンク色の景色。

ピンクというより蛍光ピンクに近い今まで見たことのない色が目に飛び込んできた。

最初見た瞬間、港一面に咲くピンクの花だと思った。

けれどそれはサクラエビの天日干しの風景。

今でも由比漁港でサクラエビの天日干しを作っているのだうか。

富士川の河川敷でもサクラエビの天日干しは作られている。

100%駿河湾

日本でここだけ

サクラエビの水揚げは駿河湾の由比港と大井川港でのみ水揚げされている。

日本のサクラエビは100%駿河湾産。

ゆえに駿河湾サクラエビというブランド名を持っている。

台湾産

台湾ではサクラエビを捕って日本へ輸出。

大きさはやや小ぶりで種類も同じものではない。

台湾で捕れたサクラエビと日本で捕れたサクラエビを分けるために駿河湾サクラエビの名前が使われている。

相模湾や東京湾にも生息するが漁としては国が認めていない。

サクラエビを捕りすぎないようにするためだ。

サクラエビの棲家

サクラエビは500mの深さまで生息する、遊泳型の小型の海老。

昼間は主に200~300mの深さを遊泳し、夜になると水面近く20~50mまで浮上してくる。

そのためサクラエビ漁は夜行われる。

サクラエビはエサのプランクトンや有機デトリタス(微生物の死骸や破片、排泄物)を求めて明るいときは暗い深海へ、夜暗くなると浅い深度へと日夜移動している。

寿命は1年ほど

サクラエビの寿命は15ヵ月、産卵最盛期は夏、交尾後に1700 ~2300個の浮遊卵を産卵すると2~3ヵ月で死ぬ。

サクラエビのヒゲは長く、体長以上。

また160個の発光器官が体表にあり、ホタルイカと同じように光る。

昔は一年中サクラエビ漁をしていたが乱獲を防ぐために漁期を決めた。

サクラエビ漁

サクラエビの漁期

サクラエビ漁は年に2回、春と夏に行われる。

春は3月末~6月10日まで、秋は10月末~12月末。

海が時化ている時は休漁する。

産卵最盛期の夏は禁漁になる、また冬は浅い深度へ浮上しないので休漁となる。

漁法

2隻の船で1つの網を引っ張る。

日本でサクラエビ漁ができるのは由比漁港と大井川港の船だけ。

サクラエビ漁の許可のある100隻だけと決められている。

水揚げされるサクラエビは漁協ごとに管理され、水揚げされた総重量を出船した船隻数で平等に均等する制度が取られている。

これは船によっての豊漁と不漁を防ぐと共に漁船毎の水揚げ争いを避け、乱獲を防ぐ役割も担う。

久しぶりにサクラエビの刺身やサクラエビのかき揚げが食べたくなった。