大間のクロマグロ一本釣りは大きなロマン 487

海の黒いダイヤモンド

日本で食べる4種のマグロ

世界で一番マグロを消費する国は日本だ。

クロマグロ(ホンマグロ)、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロ(ビンチョ、トンボ)など主に食用として日本で水揚げされるマグロは4種類。

ダイビングでよく見られるイソマグロは時間が経つと水っぽくなるため一般には出回らない。

そんな4種類のマグロの中でも花形なのはクロマグロだ。

青森県大間港で水揚げされたクロマグロは大間マグロと呼ばれ、旨いと人気だ。

大間の一本釣り

主に一本釣りで漁をする。

竿などは使わずに糸1本、針1本、餌1匹でクロマグロを釣り上げる。

中には延縄で漁をする大きな船もある。

一本釣りはクロマグロの群れを直視やソナー、魚群探知機で捜す。

群れを見つけたら群れの先端に届くように群れの潮上からエサを入れる。

クロマグロ釣りのエサ

エサは生きたスルメイカ、生きたフクラゲ(ブリの子供、イナダ)、生のサンマ、シイラの子供、塩漬けのトビウオなどを使う。

マグロ漁の前にはエサの確保が必要だ。

前日の夜にはスルメイカ漁に出なくてはならない。

もちろんこれも釣りだ。

必要な数だけ釣れるまで帰れない。

直ぐに釣れれば良いが時には時間のかかる時もある。

マグロ漁は翌早朝暗いうちから始まる。

腕次第?運次第?

エサを喰うか喰わぬかは腕次第?運次第?

1年に1匹も釣ることが出来ない漁師もいる。

油代と時間だけを費やす辛さはたまらないだろう。

マグロの鼻先にうまくエサが運ばれるようにエサ入れと船の操作をする。




マグロが掛かってから死闘が始まる

マグロが喰いついたら

エサにマグロが喰いつくともの凄い力で引っ張られる。

だが直ぐに合わせを入れてはいけない。

針が口に掛からず外れてしまうからだ。

5秒ぐらいは自由に飲み込ませる。

それから船のエンジンを全開にして大合わせをする。

マグロとのやりとり

マグロにガッチリ針掛かりをすれば糸が切れぬようマグロが疲れるまで少しのテンションをかけながら自由に泳がす。

引き寄せられる重さになったらゆっくり糸を引く。

マグロが暴れて逃げ出せば、また糸が切れぬように少しのテンションをかけて糸を出す。

マグロが弱ってきたらまた糸をゆっくり引き寄せていく。

時には1時間以上もこの遣り取りが続く。

今は糸の自動巻き上げ機を常備している船も多く、漁師にとっては無くてはならない相棒的な存在だ。

電気ショッカーと銛

運よく船近くまで引き寄せられたマグロは暴れないように現在は電気ショックで失神させる。

失神して暴れない状態のマグロにロープの付いた銛を打ち込む。

釣り針だけで取り込むと暴れた時に針が外れたり、糸が切れてしまうからだ。

狙いは身肉に傷をつけず、尚且つ外れにくい場所、頬の辺りだ。

銛を打ち込めばマグロは暴れる。

まだ油断は出来ない。

銛のロープが切れたり、銛先が外れることもあるからだ。

取り込みはフックとウインチ

ゆっくりと手繰り寄せ、鰓にステンレスフックが掛けられるまで緊張が続く。

特に大きな獲物には左右2つの鰓にステンレスフックが2つ掛けられることもある。

ステンレスフックが掛けられたマグロを昔は人力で船内に引き入れた。

現在はウインチを使用して船内に引き入れる。

ゆえに大間では1人だけで船に乗り100kg以上のマグロを操船から取り込みする漁師も多い。




大事な宝物

釣り上げても尚丁寧に

大間マグロは今やブランドマグロとしても有名でとても大事に扱われる。

釣り上げたクロマグロは直接甲板の上には置かない。

100kg以上もある大物は硬い甲板に直接置けば自らの体重で表面が傷ついてしまう。

傷つけば値段も下がる。

身の表面を傷つけないように柔らかいスポンジのマットの上に寝かせる。

血抜きと神経締め

すると直ぐに血抜きと神経締めを行ない氷で冷やされる。

血を抜くのは肉に生臭さが残らないようにするため。

神経締めをすることで死後硬直の時間が遅れる、つまり鮮度が長く保てることになる。

氷で冷やすのも身の鮮度を維持するためだ。

陸揚げ

港で船から陸へ水揚げされたクロマグロは検量を終えた後に氷で冷やされる。

出荷用の発泡スチロール箱に身を立てにして納められると隙間に氷を入れて東京の築地に運ばれる。

身を横に寝かせると長い時間下になった部分に体液が溜まり味が落ちる。

そのため最近は大きなマグロは身を立てて運ぶ。

腹はトロと大トロの部分で体液が溜まり難い。

そうやって海から運ばれて築地、そして割烹料理屋や寿司屋などの店舗に並ぶ。

大間マグロの値段

このクロマグロの値段が凄い。

時により、1kgあたり10,000円以上の値段がつく。

100kgのクロマグロなら100万円だ。

それを1ヵ月で何匹も釣り上げられたら、大間漁師の夢だ。




状態で変わるクロマグロの値段

クロマグロの値段は釣り上げた時期によっても、大きさ、場所、鮮度によっても値段が変わる。

時期

春夏に沢山のエサを食べ秋冬になると脂がのってくる。

時期的に値段が最高に上がるのは年末から年始だ。

特に津軽海峡で水揚げされた初荷の初クロマグロの一番大きい物には毎年ご祝儀相場がつく。

初荷のご祝儀相場

2008年には170kgの重さで607万円。

2010年で200kgの重さで1400万円。

2013年は過去一番、1臆5540万円。(すしざんまい)

2014年で230kgの重さで736万円。

2017年で412kgの重さで7420万円。

今年2018年は405kgの重さで3635万円。

漁師の手元にはこの金額の6~7割が振り込まれる。

大きさ

クロマグロは大きい方が値段が高くなる。

大きいほうが脂がのっている傾向にあるからだ。

クロマグロの子供はメジマグロと呼ばれ、カツオに混じって釣れる時もある。

脂ののりは少ない。

出来れば逃がしてあげたい。

場所

場所は津軽海峡で水揚げされるクロマグロに高値がつく。

日本で一番だと言われる。

確かに大間で捕れたクロマグロは脂がのっていてすこぶる旨い。

南国へ行くほど値段が安くなる。

鮮度

鮮度によっても値段が変わる。

氷で冷やすことは絶対的条件だ。

大きなマグロは暴れることで体温が上がり、早く冷やさないと身焼けをおこし味が悪くなる。

地方によっては竿とリールを使って出来るだけマグロを暴れさせないようにゆっくり釣り上げる漁師もいる。

また血抜きをするとしないとでは味に格段の差が出てくる。

血抜きをしないと生臭さは残る。

まだ生きた元気なうちに血抜きをしないと血は良く抜けない。

血抜きは鰓の動脈を切ることで行われる。

神経締めも昔にはなかった技術だ。

黒いダイヤモンドと言われるクロマグロの全てが凄い。




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