月のウサギ 347

月のウサギ

月のクレーターや凹凸で黒く見える陰影がウサギの餅つき姿に似ている時がある。

月でウサギが餅をついている。

何か良い感じ、メルヘンを感じる。

でも月でウサギが餅をついていると最初に言ったのは誰?

昔むかしインドのある森での話

サルとキツネとウサギの物語

木登りの上手なサルと狩りの得意なキツネと穴掘りが好きなウサギの3匹が仲良く一緒に暮らしていた。

3匹はいつも同じ不満を抱いて日々を送っていた。

「なんで俺たちは人間ではないのだろう」

「なんで獣の姿なんだろう」

「人間のようになりたい」

来る日もくる日も

けれど水面に映る自分の姿は変わることがなかった。

3匹の決め事

あるとき1匹が言った。

「前世で何か悪いことをしていたんじゃないか?

だから獣の姿なんじゃないのか?」

「せめてそれなら良いことをしよう」

「これからは人に会ったら役に立つことをしよう」

「うん、そうしよう」

サルとキツネとウサギの3匹はこのように話し合い、人間に役立つことをすると決めた。

帝釈天の耳に届いた

それを天で聞いた神様の帝釈天は何か良いことをさせてあげたいと思い、考えた。

帝釈天は老人の姿に変えると3匹の前にあらわれた。

老人は疲れ果てた姿をしていた。

「お腹がすいて動けない

何か食べ物をめぐんで欲しい」

何も知らない3匹は老人の言葉を聞くと、やっと役にたつことが出来ると大喜び

3匹の食べ物捜し

3匹はそれぞれ老人のために食べ物を捜しに出かけた。

木登りの上手なサルは高い木の上に上り果物や木の実を取って帰ってきた。

狩りの得意なキツネは川に行って魚を捕まえて帰ってきた。

ウサギは野を走り、穴の中を捜したが自分が食べている雑草しか見つけられない。

結局、一生懸命頑張ったのにウサギだけは食べる物を何も持って帰ることが出来なかった。

サルやキツネが持ってきた獲物を見てウサギは申し訳なく、空しく、悔しくて仕方がなかった。

悩んだウサギは言う

「もう一度食べ物を捜してくるから

料理できるように火を焚いて待っていて欲しい」

そしてウサギはもう一度食べ物を捜しに出かけた。

けれど、食べ物はなかなか見つからない。

捜しても、さがしても

ウサギにはできなかった

ウサギには人間が食べる食べ物が良く解らない。

また、食べ物を上手に掴める手もない。

食べ物をくわえて歩ける大きな口もウサギは持っていない。

暫くしてあきらめたウサギは何も持たずに帰ってきた。

責められるウサギ

「食べ物を何も持ってないじゃないか!」

「うそつきだ!」

サルとキツネに責め立てられ

ウサギは泣きながら悩む

皆との約束を守れない

老人に渡す食べ物もない

老人が喜ぶ食べ物がわからない

身を捧げるウサギ

泣きながら悩み、悩んだ末にウサギは焚き火の中に身を投じる。

「私には食べ物を見つけることができません」

「食べ物を捕ることもできません」

「食べ物を運ぶこともできません」

「食べ物を集める力がありません」

「どうぞ、私を焼いて食べてあなたの役に立ててください。」

ウサギは老人のために身を捧げた。

帝釈天が月に連れて行く

驚いた老人はすぐに帝釈天の姿に戻り、焦げて死んだウサギを抱きかかえる。

「ウサギよ!

お前の優しい心はよくわかった。

今度、生まれ変わる時はきっと人間にしよう。

それにしても可哀そうだ。

皆に見えるように月の中にウサギの姿を永遠に残してやろう。」

帝釈天は焼けたウサギの体を月に連れていった。

そして月にウサギの姿が映るようになった。




返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA