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深く潜るとなぜ耳が痛くなる?

深く潜ると耳が痛くなる

2~3m潜るだけで耳が痛い

背の立たない深さの海でスキンダイビング(素潜り)をすると2~3m潜るだけで耳が痛くなる。

痛くてそれ以上深く潜ることは出来ない。

なぜ耳が痛くなるのか?

水圧の増加で鼓膜が押される

深く潜ると水圧が増加する。

水圧の増加に伴い耳の鼓膜が内側に押される。

このとき耳が痛む。

痛みをとるには

水圧によって押された鼓膜の内側に空気を送る。

鼓膜は元の状態に戻り痛みはなくなる。

鼓膜の内側に空気を送ることにより外の圧力と内側の圧力を同じにする。

これを圧平衡という。

特に耳の圧平衡を耳抜き呼ぶ。

水圧とは何か?

圧力は重さ

簡単に考えると圧力とは重さ。

陸上にいる私たちにも空気の重さがかかっている。

その圧力は1気圧。

1気圧は1㎠に約1kgの重さ

1気圧とはどれぐらいの重さか。

1㎠に約1kgの重さがかかること。

圧力を感じることはできない。

それは左右上下全体から圧力がかかっているため。

圧力の変化は体の空間で感じる

体の空間で圧力の変化を感じる。

例えば飛行機に乗って高い場所へ上がっていけば耳に違和感を感じる。

このとき中耳の内側の空気が膨張して鼓膜を外側へ押す。

また飛行機が着陸のため高度を下げていくとやはり耳に違和感を感じる。

これは中耳の内側の空気が圧縮されて鼓膜を内側へ押すため。

水中では空気より水の方が重いので圧力の変化は早くおきる。

水中での圧力の変化は早い

水面で空気の重さ1気圧

水面では空気の重さが1気圧ある。

空の上までの全空気の重さ。

1㎠に約1kgの重さ。

10mごとに1気圧

水中に潜ると深度10mごとに1気圧づつ増える。

0m(水面)は1気圧=水の重さ0気圧  +  空気の重さ1気圧

10mは2気圧 = 10mの水の重さ1気圧  +  空気の重さ1気圧

20mは3気圧 = 20mの水の重さ2気圧  +  空気の重さ1気圧

30mは4気圧 = 30mの水の重さ3気圧  +  空気の重さ1気圧

 

深度と気圧
深度と気圧

というように深度に応じて10m毎に1気圧づつ増えていく。

水圧によって空間は圧縮される

潰れる空間

深度と気圧と空間の変化
深度と気圧と空間の変化

上記図は逆さまにした1リットルのカップを水深30mまで持っていった状態を表す。

深度10mでは水面で1リットルあった空気は半分の1/2リットルになる。

深度10mでは2気圧なので水面に比べ2倍の力で圧縮される。

深度20mでは3気圧。

3倍の力で圧縮され1/3リットルになる。

深度30mでは4気圧。

4倍の力で圧縮され1/4リットルになる。

浮上すれば元に戻る

水面に浮上すれば圧縮されたカップ内の空気は膨張し、もとの1リットルに戻る。

海に潜れば深度に応じて圧力が増え空間を圧縮する。

これが耳の空間に影響を与えている理由。

スクイズ

深度が増せば水圧が体内の空間を圧縮する。

このように締め付けられる状態をスクイズという。

潜降する時の耳の痛みは「耳のスクイズ」。

次は、その他にはどのような空間があるのか?

どんなスクイズの症状が出るのか?

対応方法を紹介。